【大人の旅】美しい建築と自然、極上グルメに舌鼓。1泊2日の「金沢の旅」を楽しむ方法

秋らしさがやってきた10月上旬。日々仕事や家事に追われる女友達3人で、石川県・金沢へリフレッシュの旅に出かけました。歴史を物語る名所や、“美食の街”ならではのグルメスポットなど、金沢の魅力をご紹介します。

自然と文化にふれる『兼六園』や『金沢城公園』

新幹線で金沢駅に到着し、まず最初に訪れたのは、自然豊かな庭園『兼六園』。タクシーでおよそ10分ほどのところにある庭園ですが、今回は宿泊したホテルが駅と『兼六園』の中間にあったため、ホテルに荷物を預けてから歩いて向かいました。

『兼六園』といえば、四季折々の自然の堪能できることで有名です。この日の園内はまだ夏の名残が感じられる緑に彩られていましたが、中にはやや紅葉のはじまっている植物も見られました。これからの紅葉の季節には、きっとまた違ったロマンチックな景色が広がるのでしょう。

都会の喧騒から隔絶された園内で鳥のさえずりを聞きながら、美しい松や梅、〈霞々池〉を眺めていると、日々の疲れも吹き飛ぶほど癒やされました。

大きな松の木の後ろに見えるのは、約5800平方メートルの〈霞々池〉。鯉が泳ぐ姿も見られました。

〈霞々池〉から〈桜ヶ岡料金所〉方面に歩いていくと、能登半島方面が見下ろせる〈眺望台〉にたどり着きます。晴れた日にくっきりと浮かぶ卯辰山や白山山系が美しい!

兼六園

住:石川県金沢市兼六町1

電:076-234-3800

 

『兼六園』の〈石川門〉を出ると、“加賀百万石大名”が築いた名城跡『金沢城公園』の中に入れます。

『兼六園』には入園料として320円(18歳以上)が必要となりますが、『金沢城公園』は無料。歴史好きの友人たちと、広大な敷地内を散歩しているだけでとてもリフレッシュできます。

〈三の丸広場〉にそびえ立つ3つの櫓のみ、入場料がかかりますが、中ではさまざまな貴重な展示品が見られますよ。

金沢城公園

住:石川県金沢市丸の内1-1

電:076-234-3800

ティーサロン『KISSA & Co』で金沢名物のきんつばと加賀棒茶をいただく

たくさん歩いてほどよく疲れたところで、銘菓の〈きんつば〉を食べてひと休みしようということに。私たちが宿泊していたホテルのすぐそばにあった『KISSA & Co.』を訪れました。

『KISSA & Co.』は、日本の伝統的なカルチャーを落とし込んだスタイリッシュなホテル『KUMU 金沢』に併設するティーサロン。金沢名物の〈加賀棒茶〉や抹茶、コーヒーを、きんつばなどの和菓子とともに楽しめるスポットです。

お茶だけでなく、〈抹茶ビール〉や〈焼酎のお茶割り〉などのアルコールメニューも用意されているので、夕方の“ちょい飲み”に利用するのもおすすめです。

建築デザイナー、アートコーディネーターなど、異なるジャンルで活躍するクリエイターのタッグによって生まれた内装は、見惚れるほど美しい!

冷たい〈加賀棒茶〉と〈きんつば〉のセットを注文。すっきりとしたきんつばの甘さと、香ばしい加賀棒茶の風味がたまりません。

TEA SALON KISSA & Co.

住:石川県金沢市上堤町2-40

電:076-282-9600

https://www.thesharehotels.com/kumu/

夕食は『能加万菜 郷』へ。目と舌で金沢の魅力を堪能!

今回、ホテルは素泊まりのプランで予約していたため、夕食は何度か金沢を訪れている友人のお気に入り『能加万菜 郷』へ。

「能加万菜(のうかばんざい)」は、能登や加賀の食文化や伝統工芸をテーマとする石川県のローカルブランドで、『郷(きょう)』のほかにも飲食店を展開しているほか、ひがし茶屋街には工芸品セレクトショップ『THE SHOP 東山』も構えています。

紹介してくれた友人は、初めて『郷』を訪れた際に、金沢の食文化に魅了されたそう。たしかに、新鮮な海鮮や能登牛を使ったメニュー、石川の地酒など、何を頼んでもおいしいんです。

国内の金箔生産量98%を占める金沢ならではの、金箔をあしらった盛り付けにもうっとり。

提供されるメニューのほとんどは、加賀の伝統工芸品である“九谷焼”の器に盛られています。「お土産にしたい!」と思ったら、『THE SHOP 東山』を訪れるのもアリ。

能加万菜 郷

住:石川県金沢市本町2丁目4−30 金沢ビルラン1階

電:076-255-2727

https://noukabanzai.jp/kyo/

朝食にピッタリな『本町ストラット』のお粥

1日目の夜に『郷』でたっぷり食事とお酒を楽しんだこともあり、翌朝は胃が疲れぎみ。朝食を食べられるお店を探したところ、駅の近くにお粥を食べられるお店があり、早めにチェックアウトを済ませて向かうことにしました。

お店の名前は『本町ストラット』。MAPアプリを使って近くまでたどり着いたものの、めぼしいお店が見つからない……と思っていたら、路地の裏に不思議なビニールハウスが! 入り口に近づいてよく見てみると、店名の記載されたチラシが貼り出されていました。

予想外の店構えに多少面くらいつつも入店すると、ビニールハウスの中とは思えないコージーな空間が広がっていました。

「ここ、通ってもいいのかな?」と不安になるような路地に、忽然とあらわれるビニールハウス。まさかこの中がお店になっているなんて!

この日の朝、屋外は少し肌寒かったものの、店内はとても暖かく癒やされました。

『本町ストラット』のお粥は、「赤ちゃんからお年寄りまで、安心して食べられる」がコンセプト。無農薬・化学肥料不使用のお米と野菜を使った朝ごはんは、腸を優しく温めてくれます。

今回は少なめのお粥と、トッピング、半熟卵、コーヒーがセットになった「おはよう!」セットを注文。ゆっくりと味わっている間、店主の方が金沢のおすすめスポットをたくさん教えてくれ、最高の1日のはじまりとなりました。

ほんのりと塩味が効きつつも、お米本来の甘味が感じられるお粥に大満足。半熟卵を崩して少しずつ混ぜながらいただくと、濃厚な味わいも楽しめます。

本町ストラット

住:石川県金沢市本町2丁目6−22

電:076-224-4456

https://sites.google.com/view/honmachi-strut/

日本の伝統を感じる「ひがし茶屋街」へ

朝食を摂ったあとは、『本町ストラット』でおすすめしていただいた『ひがし茶屋街』を訪れることに。

復元された茶屋や酒場が並び、今でも芸妓遊びが楽しめるこの場所では、日本人観光客よりも外国人観光客のほうが多く見られました。日本の伝統が感じられる景色は、やはり外国人の方にも魅力的に映るのでしょう。

『ひがし茶屋街』には金沢名物を扱うお店も多く、お土産探しにもうってつけです。

ひがし茶屋街

住:石川県金沢市東山

「ひがし茶屋街を訪れたらぜひ行ってみてほしい」と教えていただいたお茶屋『志摩』にも訪れてみました。

『志摩』は文政三年に建設されたお茶屋で、当時のままの状態で残っていることから、国の重要文化財にも指定されています。入場料を支払えば、今なお美しさの残る客室を見学できるほか、お抹茶・生菓子付き料金の場合、館内で現在も営業しているお茶屋『寒村庵(かんそんあん)』でお茶を楽しむこともできます。

庭の緑を正面に眺められる『寒村庵』の席。

提供される生菓子は、地元民なら誰もが知る名店『吉はし菓子店』のもの。通常、生菓子は予約しないと購入できないので、予約なしで旅行中に味わえるのは『志摩』だけなのだそう。

志摩

住:石川県金沢市東山1丁目13−21

電:076-252-5675

http://www.ochaya-shima.com/

ランチは『ゲッコ洞』のスパイスカレー

夕方の新幹線で帰る弾丸スケジュールだったため、金沢グルメを味わえるのはランチがラスト。とはいえ、1日目から和食が続いていたため、なんだかガツンとしたものが食べたい気分に。「カレーが食べたくない?」と友人が呟いてから、一気に“カレーの舌”になってしまいました。

「カレーはカレーでもスパイスがしっかりきいた、エスニックなカレーが食べたい!」と意見が一致し、訪れたのは『ゲッコ洞』。『兼六園』から徒歩10分ほどにあるカレーとお酒のお店です。

古い民家を改装した店内には、映画やアニメのポスターやグッズ、レコードなどがずらり。店内の薄暗さもあり、なんかここだけ別世界のよう。

店内にはメニュー表はなく、注文できるカレーは2種類のみ。この日は〈シーフードカレー〉と〈ココナツカレー〉から選べたので、私はシーフードを注文しました。

貝やエビの旨みがたっぷりのルゥに、ほんのりとバターの風味が感じられるサーモン、酢漬けの玉ねぎや半熟卵などがどっさりトッピングされていて、ボリューム満点!

テーブルにはガーリック醤油やフライドガーリック、ラベンダービネガーなどの“味変”調味料も用意されており、少しずつ加えながら楽しめるのもオツでした。

スパイスたっぷりで、和食に慣れた舌がほどよく刺激されました。旅のシメにカレー、おすすめです!

ゲッコ洞

住:石川県金沢市茨木町24−5

ゲッコ洞公式インスタグラム

文・撮影/藤間紗花

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