初めての料理、土地の人との交流、心動く景色……。旅でしか得られない体験はいくつも。「そろそろどこかへ 」。そんなあなたを刺激する「あの旅 」を写真とともにシェアしてくれました。
鈴木拓也さん/すずきたくや
写真家
独自の視点で人やモノを撮影。写真集『VVO』は 「MONO GRAPHY」(中央区日本橋小伝馬町 17- 5-2F)で販売中。Instagram:@suzutaku302
ロシア/ウラジオストック
どこか懐かしく、温かい、旧共産圏の近未来デザインと出合う。
成田からわずか2時間半。日本から最も近いヨーロッパの街と気づき、ウラジオストックを目指したのは2016年初夏。さしたる期待もせず向かった個人旅行でしたが、行ってびっくり。街中には旧ソ連時代の建物が数多く残され、ノスタルジックな異空間に圧倒されました。
旧共産圏を思わせる近未来なプロダクトなど、被写体としても圧巻。人も日本で喧伝されている冷淡なイメージとは裏腹に、一度打ち解けてしまえば皆、優しく人懐っこい。キリル文字は難解で英語もほとんど通じませんが、それもまた楽しいんです。すっかり気に入り、秋も春も訪れ、写真を撮ってきましたが、まだ冬に行けておらず、それが再訪を願う理由。まだ見ぬ凍った海でスケートを楽しむ市民と早く再会したい。
TRAVEL DATA
おすすめのホテル:街最古で格式も高い「ホテル ヴェルサイユ」
おすすめの料理、レストラン:現地のおいしいワインも揃うジョージア料理店「スープラ」
おすすめのアクティビティ:バレエ鑑賞に。「マリインスキー劇場沿海州別館」
これから行きたい場所:ペルビアン・キュイジーヌとインカ文明を求め、ペルーをさまよいたい
『クウネル』2022年11月号掲載
取材・文/阿部里歩、田代 格、友永文博、船山直子、石毛幸子