日本の食パンのおいしさに惹かれ、日本のサンドイッチを徹底的に研究したお店が、パリにあります。一番人気は、ジューシーな「トリカツサンド」だといいます。
日本の食パンで作るサンドイッチ、 それも具材たっぷりの今どきなボリュ ームサンドを提供している『サンド クラブ』。オーナーのデルフィーヌさんがお店をオープンするきっかけとなったのは、ある日食べた日本の食パン。
「パリにある日本のパンを販売しているお店で買ったものだったのですが、 こんなに美味しいパンがあるなんて! とびっくり。普通に売られているものとは全然違う。そこで、この美味しいパンで新しいことができないかと考えました。アジア文化がもともと好きで、日本も大好きだったので、いろいろリサーチしたところ、ボリュームサンドを発見。見た目もグラフィックで美しく、これだ!とぴんと来たんです」。
日本の食パンはフランスのパンドミーより甘さがあるので、砂糖をプラスし、よりしっとり感も重視……といったパンの研究を重ね、2018年の10 月にカフェレストランをオープン。
〝日本のサンドイッチ〟とは!と、話題になり、雑誌や新聞に多く取り上げられたことで、瞬く間に地元のパリジャンたちが通い詰める人気店に。
メニューの中で一番支持を集めているのは、トリカツサンド。豚でなく鶏なのは、「宗教などで豚を食べられない人がパリには多いから」という配慮から。
サクサクのチキンカツとふんわり甘みのある食パンのマリアージュは絶妙で、リピーターが多いのも頷けます。
「今後は食パンを使ったフレンチトーストなどのメニューも、いろいろ増やしていきたいなと思っているんです」
『ku:nel』2019年11月号掲載
写真 Yas/コーディネート・文 井筒麻三子/編集 今井 恵