身体の調子を整える、薬膳。国際中医専門員・ライフアンドファッションスタイリスト®として活躍する、やくぜんもとこさん。薬膳を気軽に楽しめるようにと、日々さまざまな提案をしています。
気温がぐんぐん下がり、本格的な冬が到来。やくぜんもとこさんに、身体の冷えから来る不調が起こりやすいこの時期におすすめの食材や食事のポイントを教えていただきました。
●冬は体質改善ができる季節
「前回の記事で、冬は“貯蔵”の季節とお伝えしましたが、同時に体質改善のチャンスでもあります。生まれたときに両親から受け継いだパワーと、生まれてから口にした食べ物にもらったパワーを合わせた、2つのエネルギーを使って私たちは毎日暮らしています」
「このパワーを貯える場所が、冬に活発になる『腎』 なのです。なので、この時期に『腎』を養うものを食べると、身体のパワーが全体的に上がり、体質改善ができます。なお、『腎』のパワーは身体を温める“腎陽”と、身体に潤いを与える“腎陰”の2つがあります。そこで今月はこの“腎陽”と“腎陰”を養って、『腎』全体をパワーアップする食材をご紹介します!」
●『腎』を養って身体のパワーを高める、食事作りのポイント
1.『腎』を温める食材を使う
→くるみ・羊肉・鹿肉・岩魚・海老・なまこ・栗・鶏肉・うなぎ・すずき・たら ニラ・シナモン・山椒(花椒)
2.『腎』に潤いを与えて養う食材を使う
→白きくらげ・黒ごま・鴨肉・豚肉・たまご・牡蠣・ほたて・あわび・ムール貝・赤貝・ぶどう・イカ・黒豆・長芋(山芋)・キャベツ・カリフラワ(ブロッコリー)・豚骨・かつお
次回の記事では、こちらのおすすめの季節の食材の中から、「薬膳おつまみ」のレシピを教えていただきます!お楽しみに。
◆やくぜんもとこさん今月の暮らしのトピックス
【10年振りに作った栗の渋皮煮】
「今年はとても立派な栗が手に入り、約10年ぶりに栗の渋皮煮を作りました。約1キロの栗の鬼皮を剥く作業と、6回の茹でこぼしもなんのその。最後に三温糖を入れて、ことこと煮れば部屋いっぱいに栗の甘い香りが広がって、幸せ気持ちに満たされました。仕上げには生まれ年のブランデーをたらり食後に1粒ずつ夫と楽しんでいます」