はじまりは室町時代からという古い歴史があり、日本を代表する和菓子店として多くの人に愛される『とらや』。その『とらや』がパリに支店を出したのはいまから40年前。上質を愛するパリの人々に人気のお店は、〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーの松永加奈さんにとっても、とっておきの機会に足を運ぶ大好きなお店だそうです。ロックダウンに入る前のレポートをお届けします。
ハイブランドのショップが並ぶパリのサントノレ通りを曲がると、おなじみの暖簾が下がる老舗和菓子店「とらや パリ店」があります。
1980年にオープンした同店は、今年40周年。チョコレートやケーキといったスイーツが溢れるパリで「伝統的な和菓子」を提供し続けています。また「ちょっとフレンチテイストな和菓子」がいただけるのも、パリ店の魅力。併設するサロン・ド・テ(喫茶)は、すっきりとした和モダンの設えで、パリ市内に多くある「日本風」とは一線を画した存在感です。丁寧な接客も、伝統ある美しい包装紙のデザインも、日本人としてちょっと誇らしい気持ちになります。
定番の羊羹や生菓子だけでなく、和食メニューが充実しているパリ店。先日、お茶を飲もうと訪れると、店内はランチを楽しむフランスマダムでいっぱい!茶わん蒸しをすくい、おこわを食べ、お煎茶を飲みながら楽しくおしゃべりする様子を見て、お店も和の味も、パリの街にすっかり馴染んでいることを実感しました。
いよいよ本格的な寒さが増して来たパリ。あつあつのショコラショーも楽しみですが、ほっとするお汁粉も恋しい季節。年が明けると登場する、あんこたっぷりの「ガレット・デ・ロワ」も待ち遠しい!パリの真ん中で、フランス人も日本人も老舗が作り出す多彩な「和」を味わいながら、遠い日本へ思いを馳せているのです。