【上野グルメ】北海道・厚真町羊を食べ比べ!「シノバズブルワリーひつじあいす」の羊偏愛コースを実食
自家醸造のクラフトビールと世界13カ国の羊料理が楽しめる上野の隠れた名店「シノバズブルワリーひつじあいす」。6月末までの期間限定、北海道・厚真町産の羊を使ったメニューが楽しめる「羊偏愛フェア」が開催中。フェア開催を記念して開催された、一夜限りの「羊の本格フレンチペアリングコース」を実食してきました!
希少部位まで丸ごと愛する!
JR上野駅から徒歩5分の場所にある「シノバズブルワリーひつじあいす」。普段はニュージーランド産のラム肉をメインに、羊を丸ごと食すことにこだわっているお店です。扱う羊肉の部位は17種類と日本一で、希少部位を含めた多彩な料理が楽しめるんだとか。
そんな羊を知り尽くしたお店が始めたのは、羊肉が苦手という方も虜になること間違いなし!と絶賛する北海道・厚真町産の羊を使ったその名も「羊偏愛フェア」。社長が実際に農場に通い詰めて、初めて本州で提供することになったという希少価値の高い羊を、今回フレンチコースでいただいてきました。
前菜からデザートまで羊づくしの絶品フレンチ
今回いただいたのは、ラムとマトンの中間、生後1年~2年未満のホゲットを使ったフレンチコース。中でも厚真町のお肉は、脂の旨みがくどくなく美味しいのだとか。
まずはホゲットのバラ肉を使ったアミューズ。ひよこ豆を使ったサクッとしたサブレと、とヨーグルトソース、そして口の中でじわっと溶けていくホゲットの旨み・・・!脂の融点が低い羊だからこその口溶けの良さも感じました。
ペアリングはキレのあるラガーを。クラフトビールの名称は全て前川社長が決めているのだそうで、この「トリプレットラガー」は厚真町に生まれた3つ子ちゃんにちなんでつけられたんだそう。
続いてニュージーランド産のラムチョップの骨を約300本使って作ったコンソメスープ。メインや煮込みでも出汁に使っているという出汁は、羊の繊細で美味しい部分のラムチョップだけを使うことで、臭みが全くなく甘みを存分に感じます。
レバーを使ったアイスクリーム仕立ての冷菜は最初はシャリっとなめらかな食感で、羊の濃い旨みがじんわり口の中で広がります。りんごのチップスですくって食べると、苦味の中にほんのり甘味が加わって、鼻に抜ける空気の余韻までもが美味しい一品。
フォアグラを中心にぐるりと巻かれた肩ロースともも肉のパテ、そしてほうれん草をパイ包みにし、美味しさを余すところなく閉じ込めたスペシャリテ。添えられているのは北海道産のアスパラと、紫色のシャドークイーンのペースト。断面の美しさと相まってアートのような一皿です。
コンソメスープと同じ出汁を使っていてこれでもかと羊の旨みが凝縮された一口は、フォアグラの濃厚さに負けない存在感。今まで食べてきた羊肉の概念を見事に変えられるほど、肉肉しいのにクセがなく甘みが強いホゲット。記憶に残る一皿でした・・・!
そして今回サプライズメニューとして出てきたのが、米ぬかと古米を餌として食べさせている厚真町のホゲットを使った食べ比べ。
ラムに比べて強い旨みと、それでいて臭みのない新鮮なお肉でとても美味しい・・・!特にウデ肉は厚切り牛タンのようなぷりぷりとした食感が新鮮。大根おろしと玉ねぎを使った「シロ」と呼ばれるお店オリジナルの箸休めと、スパイシーな緑チャツネを付け合わせに。食感や脂の感じも食べ比べると全く違って面白い。
メインはラムチョップの骨からとった出汁ベースで6時間ほどじっくり煮込んだウデ肉とロース肉。ほろっと柔らかく、先ほどの食べ比べの時とはこれまた全く違う食感です。赤いペースト状のハリッサをつけて食べるとよりエキゾチックな味わいに。スパイスはクローブやジンジャーパウダー、フェンネルパウダーなど10種類ほど。スープをたっぷり浸して食べるクスクスもたまりません・・・!
ここまで羊を堪能してきましたが、最後に一番羊を感じるデザートがこちらのブランマンジェ。ロックフォールチーズはかなり硬さがあり、小ぶりサイズでも食べ応え十分。甘夏のマーマレード、自家製のアーモンドチップスと、塩味、甘味、苦味のバランスが絶妙のバランスでした!
マイクロブルワリーを構えるこだわりのクラフトも必見
ビールは店内の入り口にあるマイクロブルワリーで作られたオリジナル。都会の中の自然、不忍池と羊肉にベストマッチなビールで、これだけでも来た甲斐がある・・・!
ホップをふんだんに使ったお店のレギュラークラフト「ひつじあいす」は昼間ガブガブ飲めちゃうような喉越し抜群。女性にも人気の高いビールです。
ローストしたモルトの苦味や香ばしさ、フルボディな飲み口が特徴のスタウト「新月覚醒ブラック」。なんといっても驚くのがその香り!コーヒーのような香りがする、と思っていたら、本当にブラジル産のコーヒーが入っていました。後味はドライで余韻が少ないのも特徴で、煮込み料理などとペアリングするのがおすすめ。
イギリス発祥で、作った後に熟成をかける難しい製法のビール「バーレーワイン」も自家醸造。こちらは180日間熟成をかけたものなのだそう。ブドウは使われていないのに、蜂蜜や花のような複雑な香りが感じられ、文字通りまるでワインのようなビールでした。
厚真町で手塩にかけて大事に育てられた貴重なホゲット。オール羊のコースは初めて食べましたが、ここまで羊尽くしでも全くくどくなく胃もたれすることがなかったのが驚きでした。
羊偏愛フェアでは「幻の厚真羊・ホゲットの食べ比べ3種のロースト(ロース・ウデ・モモ)」と「10種のスパイスで煮込んだ厚真町マトンの煮込み クスクス添え」を6月末までの期間限定で提供中。(厚真町羊がなくなり次第終了)
今回試食したコースは一夜限りでしたが(ドリンクは通常メニューで提供しています)、他のメニューについてもこれからメニュー化する可能性もあるかも・・・!?気になる方は公式サイトをチェックしてみてくださいね。
シノバズブルワリーひつじあいす
住:東京都台東区上野2-10-7
電:03-3836-1901
営:12:00~23:00(L.O 22:30)
※金曜は17:00~23:00(L.O 22:30)
(https://www.uenobeer.com/
取材・文・撮影/久保田千晴