パリで、東京で……、おしゃれスナップを続けて10数年。ファッションスナップのスペシャリストがすてきなマダムをキャッチし、おしゃれの秘訣を伺うためにあちこちを巡ります。
第1回目は、銀座で行われたスカーフスナップにも参加いただいた、川崎市在住の増子明子さん。新旧アイテムをミックスして、自分らしいおしゃれを楽しんでいます。
●増子明子さん 65歳 主婦
コロナ禍の間にシルバーヘアに移行した増子さん。ヘアの変化は、新しいファッションの楽しみにも繋がりました。はっきりとしたカラーのものを手に取るようになったという増子さんのアウター使いやアクセサリーへのこだわりを教えていただきました。
こだわりのTシャツ選び
ボーダー柄やシンプルなTシャツにサルエルパンツなどゆったりとしたシルエットのボトムスを使ったスタイリングが定番の増子さん。長年愛用しているのは、丈夫な生地を使った『オーシバル(ORCIVAL)』のバスクシャツ。パンツはオーガニックコットンを使用している『無印良品』が多いんだそう。素材の良さがアイテム選びのポイントのようです。
長く愛用しているアイテムが多い中、毎シーズン買い換えているというのが白いTシャツ。今年目に止まったのは、〈Hanes×SHIPS: 別注 NEW Tシャツ Japan Fit〉のメンズSサイズ。袖が長目で、身幅がゆったり、首回りが厚めの理想的な作りなんだそう。
「夏は1枚でもシルエットをきれいにしてくれるし、冬はVネックセーターのインナーとして、白いTシャツは一年中かかせないアイテムですね」
気分をUPする、フレッシュカラーのカーディガン
白いTシャツとゆったりパンツのスタイリングに合わせたのは、『アニエスベー(Agnes.b)』の定番カーディガン。今シーズンの明るいカラーが新鮮で華やか。着心地のいいコットン100%素材で、季節の変わり目の体温調節も兼ねた、増子さんのマストアイテムです。首元にもアニエスベーの赤いコットンスカーフをひと巻き。はっきりとした差し色を首元やトップスに取り入れて、表情にもクリアな印象がプラスされ、気分UPにもなっているんだそう。
「60代になって、肌やヘアに変化を感じています。シルバーヘアにしたことで、ネイルや口紅にもメリハリのある、はっきりとしたカラーを選ぶようになりました。運気UPにもいいんだそうです」
20年ぶりに袖を通した肌触りのいいジャケット
2着目のアウターは、20年ほど寝かせていた『ミッソーニ(Missoni)』のジャケット。コットンとリネン素材で肌触りがよく、ミッソーニらしいカラフルなパッチーワークが目を惹きます。他はシンプルにTシャツとデニム、ネイビーでカラーコーディネート。ゆったりとしたクロップド丈のデニムに足元はレペットシューズを合わせて、すっきりとした印象に仕上がりました。
「昔は、スタイリングが難しいと思っていたアイテムも年齢と共に着こなし方がわかるようになりました。20年経過してもきれいな状態のジャケット。やはりいいものを購入しておいてよかった」
どんな時もアクセサリーで自分らしく
増子さんのスタリングに欠かせないのがジュエリーやスカーフなどのアクセサリー。カラーストーンが好きだったお母さまの影響で小さい頃からオーセンティックなジュエリーに触れてきたそう。人生最初のジュエリーは、大学の入学祝いにお父さまからいただいた18Kのクロスネックレスだったそうです。一つ一つ、いつ、どこで、どんな風に自分の元に来たのかを覚えている増子さん、アイテムを大切にされている様子が窺えます。
「若い人と差がつくのが、オーセンティックなジュエリーなのかな?頻繁につけても、しばらくつけずに寝かせていても、私にとって価値があるもの、飽きのこないジュエリーやアクセサリーをじっくりと選んでいます」
取材・文/酒井祥子