還暦記念に仕立てたオーダーメイドのスーツが大活躍!【おしゃれマチュアはどこで服買う?】後編

年齢を重ねて難しくなる洋服選びのヒントを、おしゃれなマチュア世代の方に教えていただく連載。前回に引き続きご登場いただくのは、吉祥寺の人気ヘアサロン『atelier OONO』のスタイリスト・大野芳子さん。洋服選びのポイントや、2年前に仕立てたというオーダーメイドスーツについて伺います。
ベストなサイズバランスと似合う色を知ることがカギ
マチュア世代が洋服を選ぶ際、気になるのはサイズ感。芳子さんは「トップスはジャストサイズ、ボトムスはオーバーサイズ」でスタイリングしているのだそう。
「トップスは大きめだと仕事中に動きにくいので、ジャストサイズを選んでいます。ボトムスのオーバーサイズは体型隠しのため(笑)。このバランスが体型を綺麗に見せてくれるかなと思ってるんですが……、実際に当たっているかは別として(笑)」

「似合わない色を大きい面積で使うと違和感が出てしまいますが、少しならいいアクセントになる。色を知るとそういうテクニックが使えるので、スタイリングの幅も広がります」
そして、洋服選びでポイントにしているのは「色」。カラー診断を受けて自分に似合う色を知ってから、特にちょっとお高めのものは診断結果をベースに選ぶようにしているのだとか。
「カラー診断の良さは、自分には似合わないと思ってクローゼットに眠らせていた服も、工夫次第で自分に馴染むように寄せられるところ。"この色は好きだけど私には合わない"と決めつけず、例えばアクセサリーなどで似合う色を取り入れて調和させたり、逆に似合わない色を少ない面積で取り入れて、上手に着崩すやり方で遊ぶこともできますね。色を知って、似合う色、似合わない色とうまく付き合っていくことは、スタイリングを楽しむ方法の一つかなと思います」
オンオフで活躍する還暦記念のオーダーメイドスーツ
仕事以外のプライベートでは、2年前の還暦の記念にオーダーしたというスーツが大活躍。
「吉祥寺の中道通りにある『FOUR BUTTONS』で作っていただきました。還暦なので、本当は赤でお願いしようと思ったものの、ちょっと難しいかなと考え直し(笑)、自分に合うカラーに。お洋服屋さんで既成のスーツはよく買っていましたが、オーダーしたのは初めてです。ちょっと高いかなとも思いましたが、しっかり採寸して綺麗に見える丈なども相談にのっていただけるので、やはりオーダーはいいですね」

「『FOUR BUTTONS』は、見えないところの工夫もよく出来ているんです。だから着ていて楽でとてもいい、作ってよかったです」
「せっかく作ったものの箪笥の肥やしになってはもったいない」と、普段から積極的に着ているのだそう。
「商店街や美容師さんの集まりなど、仕事がらみのお出かけにはもちろん、友達とごはんを食べに行くときにもインナーを変えて着ています。今日はTシャツを合わせました。これは主人のお下がり。捨てようとしていたのをもらいました(笑)」

『メゾンキツネ』のTシャツは「すごく昔のもの」とのことですが、スーツとの相性抜群!

足元は白のコンバース。Tシャツ×パンツスーツ×ハイカットスニーカーは、ラフ過ぎない綺麗な着崩し方のお手本。
「少し崩して着たいと相談したらアドバイスもしてくださいますし、自分に合う色とサイズなので、着ていてとても楽。いつか二着目を作る時には、また『FOUR BUTTONS』と決めています」

首回りや肩のラインなど、見えないディテールにもオーダーメイドならではのこだわりが。
吉祥寺は自分にちょうどいいサイズ感の街
シンプルなだけではなく、どこかにアクセントやパンチを効かせたおしゃれが上手な芳子さん。バッグはどういうものを選んでいるのでしょうか?
「バッグは軽くて少し個性的なデザインが好きです。数として多く持っているのは、地元にも路面店がある『エルベシャプリエ』のアイテム。その他はセレクトショップで見つけています。最近は、高級ブランドにはあまり惹かれなくなりました」

『nori enomoto』のショルダーバッグは、息子さんカップルからのプレゼント。

個性と上品さを併せ持った存在感がスタイリングのアクセントになるアクセサリー。
頑張り過ぎないおしゃれを楽しみ、冒険心も忘れない芳子さん。商店街や地元の方々に慕われている彼女を象る、吉祥寺という街の魅力とは?
「新宿や銀座にも行きますし、今のトレンドがどんな感じか勉強してきますが、やはり吉祥寺に戻ってくると、結局洋服を買うのは地元の東急デパート。素敵なものがたくさん売っていますし、最近では家電も買えてとても便利です。あと、井の頭公園は桜も綺麗ですし、星付きの称号がなくても温かい雰囲気で美味しいお店もたくさんあります。すべてがちょうど良くて、しかも全然飽きない。お休みもここでいろいろ見て、発見もいっぱいあって、そういう意味では居心地がいい街なんじゃないかと思います。吉祥寺、最高です」
撮影/斎藤弥里、取材・文/松永加奈