【パリスナップ】シャツ×パンツのメンズライクな装いが女っぽさを引き立てる/デザイナー・瀬谷慶子さん

暮らしの中で、パリのエスプリが自然に溶け込んだように自分らしさで服を着こなすデザイナー・瀬谷慶子さんを取材。そのこだわりとは?

PROFILE

瀬谷慶子/せや・けいこ

パリ在住約30年。『seya.』の服は、旅の情景やカルチャーを落とし込み、シンプルで上質な大人のエレガンスを表現している。

シャツ×パンツをメンズライクに。シンプルな装いが心地いい

瀬谷さんが好きだったという、マルジェラ時代の『エルメス』のコートを主役に、『seya.』のシャツとパンツ。『セリーヌ』のブルーのパンプスをのぞかせ「こういう潔いコーディネートがたまにしたくなります。靴で差し色を加えるのも好きなんです」。手に持っているのは、『イザックレイナ』のバッグ。

「服はシンプルなものが好き」。そう話すのは、日本でも大人気の『seya.』デザイナーの瀬谷慶子さん。

「セットアップか、シャツ×パンツの上にセーターやジャケットを重ねる感じが、私の日常的なコーディネートです」

洋服をつくる立場でもあり、年齢と服のバランスを見極める瀬谷さんの言葉には、参考になるアドバイスがいっぱい。

「女っぽい服もとても好きですが、年齢とともに体型が丸みを帯びてくるせいで、むしろシャツやパンツなどメンズライクな服を着た方が、女っぽく見えるし、バランス的にもいいなと思います」

「柄物は気をつけて使わないとおばさんぽくなる」と瀬谷さん。『ルイ・ヴィトン』のパンサーのスカーフは柄がないので使いやすい。柄2枚は『ジム・トンプソン』。

タイの宝石商ファミリーの友人がいて、ほとんどがオーダーメイド。四角いリングはフィレンツェで購入したアンティーク。石のリングは母から譲り受けた。

「すっかりハマってしまって、革の小物はほとんどが『イザックレイナ』のもの」。丸いバッグは左上でも着用した『seya.』。時間が経ち、飴色になるのが楽しみと。

外見の変化をポジティブに受け入れ、新しい着こなしを楽しむ

若い頃は古着やくたびれたTシャツでもおしゃれに着こなせたはず。でも年齢を重ねた女性が同じことをすると、老けて見えるし、清潔感が損なわれることも。

「でも経験値によって自分を客観視もできますよね。服には着る人の中身が反映されるから、自分自身がいろいろ学ぶべき。自信があると、新しいものを受け入れたり、トライもできるから。私は今、髪を染めるのをやめてシルバーヘアに移行中。そうしたら白い髪に合わせたい服の色とかが出てきて、ファッションがなんだか新鮮です。昔あれほど着ていた黒は全身だと似合わない。今は少し薄い色の方がしっくりくる気がしています」

外見の変化をポジティブに受け入れ、新しい着こなしを楽しむ姿はやはりおしゃれ上級者ならでは。

「大好きなシャツとパンツは、本当の普段着。涼しい季節になると、中のタートルがなくなるぐらい」。シャツは『seya.』で、中に着たタートルとパンツは、マルジェラ時代の『エルメス』。ポシェットは『ルメール』。スニーカーは『サロモン』。

インドの最高級織物であるシャトーシュのストール、『seya.』のジャケットとバッグをベージュトーンで揃え、ボトムスと靴はベージュを引き立てるホワイトにしてバランスよくコーディネート。パンツは『seya.』で靴は『カンペール』。

『クウネル』3月号掲載 撮影/篠 あゆみ、コーディネート/鈴木ひろこ、ヘア/大浜朋子、取材・文/今井 恵

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『クウネル』No.125掲載

パリ・東京おしゃれスナップ191

  • 発売日 : 2024年1月19日
  • 価格 : 1000円 (税込)

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