これぞパリの素敵!超高級ホテルのうっとり系パティスリーにパリっ子も行列中

パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISの主宰・荻野雅代さんと桜井道子さんおふたりが、毎月交替でフランスから日々の暮らしをご紹介。今月は桜井さんが、パリで注目の「高級パティスリー」について教えてくれました。

パラスホテル『ル・ムーリス』のパティスリー

3月に「お菓子の本場・パリでいま注目なのは、意外にもしみじみ美味しい素朴なケーキ」ですよとお伝えしましたが、真逆とも言える高級パティスリーのほうも、このところ新たな動きがあってワクワクしています。

フランスには、5ツ星ホテルのさらに上に、全国でたった30軒ほどしかない「パラス」という称号を受けた最高級ホテルがあります。普通の人はなかなか味わう機会のない、そんなパラスホテルのスイーツを、なんとテイクアウトできるお店がパリに続々と誕生しています。

このブームに最初に火をつけたのは、チュイルリー公園に面したリヴォリ通り沿いのパラスホテル、ル・ムーリス。ホテルからすぐのカスティリオーヌ通りに、「パティスリー・デュ・ムーリス」をオープンしたのです。花形シェフ・パティシエ、セドリック・グロレが作る、見た目は本物のフルーツのようなのに食べたらケーキ!という「トロンプ・ロイユ(だまし絵)ケーキ」が大きく話題になり、それをテイクアウトできるとあって、オープン当初から長い行列ができるほど注目されました。

ホテル・ムーリスのパティスリーは水-日の週5日営業で、12時開店、なくなり次第終了。オープンしてから数年経った現在も、長い行列ができる人気店。

季節によって内容が変わる「トロンプ・ロイユ」ケーキ。今月ははレモン、イチゴ、ピーカンナッツ、トンカ豆、パッションフルーツの5種類で、1個17€。質感までそっくりで、まさに芸術作品。

『ホテル・リッツ』のパティスリー

続いて、ヴァンドーム広場のパラス『ホテル・リッツ』が、ホテルの裏側のカンボン通りに『リッツ・パリ・ル・コントワール』をオープン。ここはイートインスペースもあり、あのホテル・リッツが手がけるパティスリーやサンドイッチをこんなに気軽に食べられるなんて!と感激。このホテルのシェフ・パティシエであるフランソワ・ペレのスペシャリテであるマドレーヌも、一度は味わいたいおいしさです。

シンプルで素朴なケーキも大好きだけど、パラスホテルの洗練されたケーキも捨てがたい…どちらも簡単に手に入ってしまうパリは、やっぱり食いしん坊には最高すぎる街です。

『ホテル・リッツ』のパティスリーはシャネル本店もあるカンボン通りにある。ホテルのほうは、入るのにちょっぴり勇気が必要だけど、こちらは気軽に立ち寄れる雰囲気が嬉しい。

「飲むパティスリー」と呼ばれるシェイクドリンクや、パンからこだわったサンドイッチなど、パティスリー以外のものも楽しめる。カウンターで注文して受け取ってから座るシステムなので気楽。

ほろっと崩れる舌触り、上質なバターの香り、中のフィリング、そして絶妙な薄さのグラサージュ…極上のマドレーヌをぜひ味わってほしい。シェフ・パティシエのフランソワ・ペレや、創業者セザール・リッツなどゆかりの人物のイラスト入りギフトボックスも素敵。

取材/桜井道子

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トリコロル・パリ

荻野雅代さんと桜井道子さんのユニット。パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISを主宰。最新ニュースやカルチャー、旅行・観光情報をはじめ、さまざまな情報を発信している。初のエッセイ『フランスの小さくて温かな暮らし365日~大切なことに気づかせてくれる日々のヒント』(自由国民社)は6万5000部のヒットに。
https://tricolorparis.com/

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