ショートやボブが多い印象のクウネル世代ですが、長い髪に憧れているという方も大勢。アレンジの幅が広く、気分によっていろいろに変えられるのが魅力です。まとめ髪が素敵な方にお話を伺いました。上品に見える三つ編みスタイルについて伺いました。
コピーライター/藤原ようこさん
ベレー&三つ編みは、33年前からのトレードマーク。
自称〝三つ編み族〟を名乗る藤原ようこさん。今のヘアスタイルは、イラストレーターの夫、真鍋太郎さんと出会ってから33年間変わらない。
「夫は子供の頃からカウボーイに憧れていたから、私もそれにふさわしいインディアンガールのシンボルヘアに」。
彼らの真摯な生き方そのものにも共鳴した藤原さんは、三つ編み族の一人だったシューズデザイナーの高田喜佐さんとサボテンを巡る旅もした。「当時の写真を見ると三つ編みの太さは今の3倍! 白髪も出てきましたが、この先もあるがままを受け入れるインディアンスピリットを大切に特別なケアはしません」。
三つ編みとベレー帽は藤原さんの体の一部。毎朝髪を編む時間は、小さな儀式といえるようです。
藤原ようこ・ふじわらようこ
化粧品や百貨店、アーティストや映画など女性に寄り添うコピー作品が多い。河瀨直美監督の『朝が来る』のコピーも手掛けている。
帽子デザイナー/本田依子さん
おばあちゃんになったら、
白髪でポンパドールが夢です。
若い頃から剛毛で毛量も多く、髪については頭を悩ませてきたという本田依子さん。シャンプーやスタイリング剤を変えるなど何を試しても改善されなかったそう。
「白髪も目立ちはじめ、これからのヘアスタイルを思案していた頃、まとめ髪の素敵な女性に出会いました。その方が白髪や細くなった髪を品よくまとめている様子を見て、お手本にしたい、と思ったんです。私の場合、扱いにくかった髪質や白髪もまとめ髪にすることで、うまくおさまり気にならなくなりました」
今まで一度も髪を染めたことがない本田さんの憧れは、白髪のポンパドー
ル。「もし、真っ白にならなかったら、そのときばかりは色を抜いてもいいかな、と思っています」
本田依子・ほんだよりこ
1960年生まれ。東京・駒沢で帽子専門店『ベルレッタ』を営む。デザインから仕上げまで、一点一点をハンドメイドでていねいに作っています。
『ku:nel』2020年11月号掲載
写真 平郡政宏、清水奈緒/取材・文 高橋敬恵子、船山直子