【広瀬裕子さん、57歳からのシルバーヘア計画11】移行期対策のワンカールが評判です
エッセイストの広瀬裕子さんは57歳になり、ヘアカラーをやめ、シルバーヘアにしてみようと思ったそう。その過程をクウネル・サロンで寄稿してくださいます。
シルバーヘアへの移行期も1年半以上となりました。今回は帽子でぺしゃんこ問題が解決に続き、第11回目。髪色とともに変わった、広瀬さんの心持ちについてです。
シルバーで切り揃えるのか、白黒混在のまま伸ばすのか
秋がゆっくりとはじまった。季節の訪れと同じように穏やかに変化しているシルバーヘアは、アゴのあたりまで伸びた。カラーリングを止めてから約1年半。髪色が変わり終わるまで「1年半から2年ほどかかる」と聞いていたけれど、この1年半は、思いのほか早く過ぎたように感じている。
シルバーヘアが一定の長さになると、元々の髪色の部分を切るという選択が可能になる。いまなら十分、長さがある。当初は、アゴのラインでカットしようと考えていた。そこには白い髪のショートボブのわたしがいる。ショートボブは今までやったことのあるヘアスタイルなので慣れているし、似合うのでは? と想像できる。でも──と思う。こころのどこかに「もう少し伸ばしたい」という気持ちがあるのだ。
伸ばしたい理由としては、ある程度の長さがあると結ぶことができるというのがある。この夏は暑かった上、浴衣を着る機会が度々あった。そんな時、髪をさっと束ねると涼しいし、浴衣の場合、襟がすっきりする。長い髪をきりりと結い上げた歳上のすてきな女性にも会った。かっこいい。
もう、ひとつ──。シルバーヘア移行期のなかで、わたし自身に変化が起きた。若いころは、ほめられることが苦手だった。それがいまは、素直に言葉や思いを受けとれるようになったのだ。
カラーリングを止めた時、髪をヘアアイロンでワンカールする習慣ができた。最初は「シルバーヘア移行期対策」として取り入れていたが、いまは、髪先がやわらかく「くるん」となるのが気に入っている。また、その「くるん」を「いい」と言ってくださる方がいる。
ヘアアクセサリーを使うようになり、帽子をかぶり、スカーフを手にするようになった。「こうするといいかな?」を試す場面が増え、いままで気がつかなかった自分の一面を知るようにもなった。そういう時も、どなたかが「いい」と言ってくださる。そう。ほめてくださることに素直によろこべるようになったのだ。
重さとリズム、「ひと手間」が大人のヘアスタイルには大事です
今回、サロンに伺った時、提案してくださったのは、アゴ近くのサイドの髪を少しカットすることだった。そうすることで伸びっぱなしで細くなった毛先に重さが生まれ、よりまとまり、動きがでるという。
ひとつに結んだ時もひと手間かけることを教えてくださった。ワンカールした髪をひとつにまとめた後、さらにヘアアイロンでワンカールする方法だ。そうすることで「くるん」が際立ち、髪にさらにリズムが生まれる。どちらもやっていただいて「なるほど」となった。さすがプロですね。
秋。コートを着るようになった時も髪を結ぼうと思っている。プラス束ねたあとに追加のワンカール。
ほんのすこし冷たい風のなか、背すじをのばし、ゆれる髪で町を歩くのだ。シルバーヘアに移行する過程、髪を伸ばす時間のなかで、髪色だけではなく、季節も、わたしも変わっていく。
ヘアカット/撮影 薫森正義@magemori
ヘアアレンジレクチャー/秋田由依@yuiakita
http://www.rougy.jp/
広瀬裕子さんトークイベントのお知らせ
トークイベント@Cafe&Meal MUJI 吉祥寺マルイ
Cafe&Meal MUJI 吉祥寺マルイにて、広瀬裕子さんのトークイベントが開催されます。テーマは「歳を重ねる中での日々の暮らしについて」。
広瀬さんのお話が直に聞けるチャンスです!
日時:20203年10月13日(金) 19:00~20:00
場所:Cafe&Meal MUJI 吉祥寺マルイ
東京都武蔵野市吉祥寺南町1丁目7−1
参加費:1,500円(Cafe&Meal MUJIの琉球紅茶と無印良品の小さなお菓子つき)
詳細は無印良品のHPから。※先着順
「無印良品くらしのラジオ」でトークも聞けます。
広瀬裕子さんインタビュー「暮らすこと、歳を重ねること」(全4回)
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この記事の
プレミアムメンバー
広瀬裕子
執筆のかたわら、50歳から空間設計の仕事をはじめ、現在は設計事務所の共同代表としてホテルや店舗、レストランなどのディレクション、フードアドバイス等にも携わる。著書に『55歳 おとなのまん中』(PHP研究所)など多数。
Instagram:@yukohirose19