【映画好きの3本】KEITA MARUYAMAデザイナー・丸山敬太さんの今こそ繰り返し観たい3本とは?
その名もズバリ、各界の映画好き著名人がそれぞれの視点でおすすめの映画3本を紹介する「映画好きの3本」。今回はKEITA MARUYAMAデザイナーの丸山敬太さんのおすすめをご紹介します。
今、観返したい好きな映画は 本当は絞り切れない!
「好きな映画がたくさんありすぎて、絞れないんです」と言う丸山敬太さん。挙がって来たリストには泣ける映画、名作中の名作、 年代のB級だが可愛い映画、ファッション・ドキュメンタリーなど約20本がありました。選択のテーマは「今こそ繰り返し観たい映画」。その等しく愛おしい中から、3本を抽出させてもらったのです。 「自分の中で映画って何だろうと考えました。
1_『ブエノスアイレス』
まず語ってもらいたいのはウォン・カーウァイ監督の作品についてです。出世作『恋する惑星』と同年に丸山さんのブランドは誕生しています。
「デジタルがなかった30年前。同時代に 発進しているのは感慨深いですね。彼は映像、美術、音楽などいろいろなところに感情をのっける人。台本がなくて俳優の心の動きやアクシデントに任せる場合も多いらしいけど、結局それを組み立てて偶然の中に作品を作り上げているのはデザイナーと同じと感じます。『恋する惑星』は若い人に今響く感覚がある。
『ブエノスアイレス』は男同士の恋愛だからこそ本質みたいなものが出ていて、濃いですね。2人の役者の佇まい、表現力の素晴らしいこと素晴らしいこと!」 。昨今のBLものとの差は、みなさんも要再認識です。
2_『お熱いのがお好き』
丸山さんはクラシカルな 女優のエンタテイメントものも元々大好き。今また気になるジャンルということで、コメディ『お熱いのがお好き』をそこからピックアップ。
「『風と共に去りぬ』や『ティファニーで朝食を』も本当にすごくて今こそ観返せ!映画なのですが、意外に振り向かれ ることの少ないマリリン・モンローの映画、面白いものが多いんですよ。セクシー・アイコンとして片づけてはいけない女優。ものすごく繊細な演技で唯一無二 の存在だと思います」
3_『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男 』
3本目には、だいたい上映されれば観ているというファッション・ドキュメンタリーのジャンルからエントリー、『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』。創作だけでなく、日常生活にもカメラが入って人物と周囲を追いかけています。
「もともとファッションが作られる過程や現場を見られるのは興味深いです。ドリスさんの花に覆われた美しい生活には、 魅せられましたね。ここちよさを大事にするものづくりと人物が一致して腑に落ちました」
映画を観るのに目的はないという丸山さん。「話していたらうーん『Wの悲劇』 が観たくなってきました。大傑作です」 と。今観返したい映画も今観たい新しい 映画も多く動いていて、忙しい!
PROFILE
丸山敬太/まるやま・けいた
KEITA MARUYAMA デザイナー
ブランドの30周年プロジェクト 『丸山百景』を展開中。9/14から表参道ヒルズ、ラフォーレミュージアム原宿にて展覧会「マルヤマ遊覧会」を開催。
『クウネル』2024年9月号掲載 写真/須藤敬一、取材・文/原 千香子
SHARE
『クウネル』NO.128掲載
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