【インタビュー】タイ・エンタメブームを牽引する注目の俳優ガルフ・カナーウットが語る、仕事とプライベートのこと

近年、アジアで一大ブームを巻き起こしているタイ・エンタメ。日本でもBLドラマやT-POPなど、"タイ沼"にハマる人が続出しています。そんなタイ・エンタメを牽引する俳優のひとりが、"ガルフ"ことカナーウット・トライピパッタナポン。今回ファンミーティングのために来日したガルフに、仕事やプライベートについて語ってもらいました。

デビューのきっかけは街角でのスカウト

クリスマスに行われたファンミーティングでは日本語での歌にトライ。「喜んでいただければと頑張って練習しました。ファンのみなさんからはいつもたくさんのメッセージをいただき、感謝の気持ちでいっぱいです」

インタビューを行ったのは、昨年12月25日に行われたファンミーティングの翌日。昼夜の2回公演には多くのファンが駆け付け、歌やクイズ、ゲームなど会場が盛り上がる中、エンディングにはガルフが日本語で『クリスマス・イブ』を歌うというサプライズも。

「日本語の歌の練習は、1週間ほど頑張りました。僕ができる日本語はまだ少しですが……"こんにちは""おやすみなさい"、あとは自己紹介で使う"日本のみなさん!"ですね。ファンミーティングはとても楽しかったです。日本のファンのみなさんはいつもあたたかくサポートして下さるので、日本に来るときは家族のもとに帰ってくるような気持ちになります」

3年前に大学を卒業し、先日26歳の誕生日を迎えたガルフが芸能界に入ったのは15歳の頃。きっかけは街角でのスカウトだったそう。

「タイのサイアムという、日本でいうと原宿みたいなところで、芸能界に興味はありますか?と今の会社の社長に直接スカウトされました。僕はそのとき家族と一緒にいたので、その場で社長から両親に話をしてもらって。芸能界にはちょっと興味はありましたが、それが仕事になるなんて当時は思っていなかったですね」

ガルフの12月の誕生日とクリスマスを兼ねた今回のファンミーティング。ステージ上でクリスマスリースを作り、抽選でプレゼントするという企画も。

その後、ドラマ『LueadMungKorn - Singh』(ドラゴンの血)で主人公の子供時代を演じるも、学業に専念するためにしばらく休業。大学3年生のときに活動を再開し、そのタイミングでドラマ『ターン&タイプ』のオーディションにトライ。主役の座を射止め、ドラマは続編もできるほどの一大ブームに。

「『ターン&タイプ』が、僕の俳優としての正式なスタートです。俳優は、同じ役でも演じる人の力で見え方が全然違うところが面白さであり、難しさでもある、そこが魅力だと思います。僕がこの役を演じたら、みなさんにどう感じてもらえるのだろうかと考えながら役作りしています」

自分らしいオリジナリティの出し方を探して

185㎝という長身でさまざまなファッションを華麗に着こなし、モデルとしても活躍。昨年3月にはグッチの「Friend of the House」に就任。

俳優だけでなく、モデルとして数々のファッション誌に登場し、昨年はグッチの「Friend of the House」に就任。さらに、2021年にはタイの人気ラッパー F.HERO との楽曲『Why You So Serious (Feat. F.HERO)』をリリース。

「モデルの仕事では、写真を見て下さる方々に少しでも興味を持っていただくにはどうすればいいのか、自分がそのブランドにちゃんとハマるように考えています。ブランドを上手にプレゼンすることは難しいですが、やりがいがありますね。アーティストも俳優と同じく、ストーリーの伝え方や雰囲気の出し方は人によって大きく変わるもの。なので、オリジナリティの出し方はいろいろとチャレンジしています」

「もともと歌よりもメッセージがストレートに伝わるラップの方が好き。日本の漢字と同じように、タイ語にも短い言葉にたくさんの意味が詰まっていて、ラップにのせるとタイ語の魅力がもっと伝わる気がします」

昨年8月には、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEとの楽曲『All I Ever Wanted feat. GULF KANAWUT』でラップを担当し、話題に。

「ラップには以前から興味があり、メッセージがストレートに伝わるところにとても魅力を感じているんです。(楽曲をコラボした)F.HEROさんは、タイ語の魅力をしっかりと音に乗せて伝える素晴らしいラッパー。お仕事を一緒にさせていただいたり、BALLISTIK BOYZとも引き合わせてくださって、彼には本当に感謝しています」

心をときめかせてくれる2匹の猫たち

芸能界という狭い世界で流されないように「正しく自分らしくいられるよう心がけています」

芸能活動再開から、一気に人気俳優への階段を駆け上ったガルフ。ドラマのヒットやアジアでのタイ・エンタメブームなど、目まぐるしく変わる環境の中で、自身が大切にしていることとは?

「芸能界は、自分を見失わずに正しく立っていることがとても難しい世界。その中で自分らしくいるよう日々心がけています。そして、パブリックも意識すること。例えばSNSを投稿する際には、ただ友達に伝えるような形ではなく、個性を出しながらもみなさんが好きでいてくれるガルフとして、きちんと発信するように努めています」

多忙なスケジュールを送る中で、オフの日はどんなことをして過ごしているのか訊ねると、「寝ます!」と即答が。

「16時間寝たのが最高記録です(笑)。『ターン&タイプ』の撮影が、朝4時から夜10時までというスケジュールで3日間続いたことがあって。終わったら帰宅、そのまま倒れて気づいたら16時間、家族も放っておいてくれました。寝ることが1番の充電ですね。そして2匹の猫。彼らにいつも癒されています。枕にのぼってきたり、顔を踏まれたりして起こされて(笑)、休みの日でもちゃんと起きて遊ぼうという気持ちになるんです。この2匹の面倒をみて毎日一緒に過ごすだけでも幸せで、心をときめかせてくれる存在ですね」

いつか挑戦したいのは悪役とダークヒーロー

「いつか悪役がメインの作品をやってみたい。みなさんに感動を与えられるダークヒーローに憧れます」

ときに屈託のない笑顔を交えながら、質問に対して言葉を選び丁寧に答える誠実な人柄とは対照的に、これからトライしてみたいのは「悪役」なのだそう。

「いい人の役はステレオタイプを守って演じる必要がありますが、悪役だと自由に演じられて、チャレンジできることが多いと思うんです。最近なら『アベンジャーズ』の〈サノス〉のように周りを混乱させるような役。『ジョーカー』や『ダークナイト』も大好きなんです。悪役なのに人々に感動を与えられるなんてすごいですよね。悪役が主役になることはあまりありませんが、いつか挑戦してみたいです」

最後に、みなさんへメッセージをいただきました。

「クウネル・サロンをご覧のみなさん、初めまして、ガルフ・カナーウットです。今後もたくさんのリリースを予定しているので、ぜひチェックしてください。そして、僕だけでなく他のT-POPアーティストも見ていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします」

Gulf / Kanawut Traipipattanapong(ガルフ / カナーウット・トライピパッタナポン)

1997年12月4日生まれ、タイ・バンコク出身。
2020年11月モンクット王工科大学トンブリー校 産業教育テクノロジー学部卒業。
2015年ドラマ『LueadMungKorn - Singh』で俳優デビュー。2019年初の主演ドラマ『TharnType The Series』、2020~21年には続編となる『TharnType The Series season 2』に出演。2022年映画『Bua Pun Fun Yub』主演。そのほか、アーティストとしては2021年にF.HERO との楽曲『Why You So Serious (Feat. F.HERO)』をリリース。昨年3月には、タイの芸能人として史上2人目となるグッチの「Friend of the House」に就任。
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撮影/キセキミチコ、取材・文/松永加奈

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