映画と同じくクリエイティブな仕事で活躍しているクウネル世代の女性たちは、どのような映画に惹かれるのでしょう? 今回は、自ら俳優経験もお持ちの作家・茅野裕城子さんに映画について一問一答。コロナ禍での映画の楽しみ方や、2022年公開予定の気になる新作を教えていただきます。
茅野裕紀子
大学卒業後、俳優、トラベル・ライターを経て、世界各地を放浪し、北京に留学。1995年『韓素音の月』で第十九回すばる文学賞を受賞。特に中国・アジア映画に造詣が深い。
Q.1 映画館で初めて観た作品は?
学生の時、たぶん1969年、同級生男子に誘われて日比谷で『サウンド・オブ・ ミュージック』からの松本楼洋食デート(笑)。当時、政治的背景もよくわからなかったし、ミュージカルにも不慣れでなぜ歌で会話するのかも疑問だったが、シネマスコープ大画面に映し出される山々の美しさが目に焼きついて離れなかった。
Q.2 年間で何本、映画を観ますか?
みなさん同様、わたしも、ステイホームの間は、映画館へいくことは非常に少なかったが、Netflix や Amazon prime で少なくとも寝る前に1本、時々は2本。ドラマを除外しても200~250本くらい観ているのでは。
Q.3 好きな映画のジャンルやタイプは?
好きな映画というのは、年齢や環境によって、どんどん変わっていく。昔好きだった映画も、リバイバルで観直すと、新しい発見が多い。ここ数年は、日本映画のなかの「着物」にとても興味があり、小津安二郎作品の女優たちの着こなす浦野理一の着物に 始まり、洋装と和装が混在していた時期の 着物の柄、髪型、帯の結び方、帯締めの位置など、じっくりみるのが楽しい。
Q.4 映画について参考にしているソースは?
わたしの場合、インスタやツイッターはやってない。以前は直接映画に詳しい友達に会って聞いていたが、この時期は、ダイレクトにチャットなどが有効。映画評論家の暉峻創三さんや中国語翻訳家の水野衛子さんなど。中国映画のことばかりですが。
Q.5 コロナ禍で、映画の見方は変わりましたか?
映画館って、誰かと一緒に観て体験を共有する楽しさ、終わってからお酒を飲んで語り合う楽しさがつきものだが、ステイホームで配信で観ていると、一人で観るということに慣れてしまった。あと、途中で中断、 時には、1.25倍速で(みんなに非難されているが)。
Q.6 クウネル世代におすすめの作品は?
グッチ一族の光と影を描いた衝撃の実話!
『ハウス・オブ・グッチ』
デザイナーについての映画、ドキュメンタリー的なものは、どうしても好きになれないのだが、これは、レディ・ガガが演じる レディ・グッチとエグそうなドラマがすごく楽しみ。
2022 年 1 月 14 日(金)より全国公開
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取材・文 船山直子、 編集 河田実紀 再編集 久保田千晴