味も食感もレストラン顔負けの、ハイレベルな取り寄せスイーツが増えています。 賞味期限をあまり気にせず、いろいろな楽しみ方ができるアイテムが多いので、自分へのご褒美にいかがですか。
日持ちのする焼き菓子か、冷凍のアイスだけ、なんて思い込んでいませんか。 実は、技術や流通の進歩で、お取り寄せアイテムは劇的に進化しています。足を運ばなければ手に入らなかった繊細なケーキも、急速冷凍などの技術で取り寄せ可能に。また、冷蔵で、レンジで温めてと、ひとつのケーキで多彩な味わい方ができるものも増えています。冷凍なら、好きな時に温度や切り方を変えて。 焼き菓子なら、できたてと1~2週間後の味や食感の違いをと、その変化も魅力的です。
1. JEAN-PAUL HÉVIN(ジャン = ポール・エヴァン)のマルコポーロ
濃厚なムースとビスキュイの二重奏
良質なカカオ豆を求めて世界を旅するエヴァン氏が、偉大な冒険家になぞらえて名づけたオンライン限定品。
ヴェネズエラ産カカオを主役に、生クリームを使わずに仕上げたムースは、まるでチョコレートを食べているかのような濃厚さ。それを受け止めるのは、アーモンドとカカオパウダーの味わいが際立つ口どけのいいビスキュイ。
2. ASSEMBLAGES KAKIMOTO(アッサンブラージュ カキモト)のルーローショコラ
京都から届く濃厚ロールケーキ
今年、お取り寄せが叶った、京都の名ショコラトゥリーの定番。小麦粉を使わないチョコレート生地と、ガナッシュをくるくると巻いたロールの中心には、クーベルチュールの種類も口どけも異なる、もう1種類の濃厚なガナッシュ。
半日冷蔵庫で解凍し、さらに常温に戻して口に運ぶと、異なるチョコレートの風味が時間差で押し寄せます。アーモンドの食感もアクセントに。
3. le fleuve(ル フルーヴ)のポルチーニのショコラテリーヌ
気鋭のショコラティエの異色作
無農薬有機栽培の農園主を父に持ち、原材料に妥協しないため、店舗を持たずにチョコレートを作る異色の職人による意欲作。
2つの素材には似た香りがあると考案したテリーヌは、稀有なポルチーニ茸とミルクチョコレートの組み合わせ。濃厚な乳製品のコクに潜む、 ポルチーニ茸そのものを煮出して抽出した繊細な味を、温度を変えながら味わいたい。蒸留酒とも好相性。
4. AMOUR(アムール)のアムール ド ショコラ “ブラン ”
珍しいホワイトチョコのケーキ
東京・広尾の一軒家フレンチのシェフが、ほかにないガトーショコラをと作った1日10本限定のケーキ。
ホワイトチョコレートが持つミルキーな甘さを活かしたという生地は、ジンで爽やかさとキレを、マカデミアナッツで食感をプラス。どこかチーズを思わせるコクもあります。
冷やして生チョコ、温めてフォンダンショコラのように変化する口どけを、好みの飲み物で楽しみたい。
●「大人のお取り寄せ」はほかにもいろいろ
◎みずみずしいゼリーやアイスを自分へのご褒美にいかが?
◎極上のチーズケーキ4選をお取り寄せ
◎果物やナッツたっぷり、大人のベイクドケーキ
『ku:nel』2021年1月号掲載
写真 柳原久子 / 取材・文 齋藤優子