【次の休みに読みたい本vol.2】生き方のヒント「モノだけでなく人間関係を整理したい人に」
書店の実用書コーナーに立ち寄ると、「捨てる、やめる、手放す」といったタイトルが目につきます。どうして今この類の本が売れているのか、そして今読んでおきたい一冊とは?人気書店のベテランスタッフに取材しました。今回の推薦人は元祖カリスマ書店員として知られる代官山蔦屋書店の間室さんです。
人生をシンプルにし、楽に呼吸できるヒントは、本から見つかる。
「1990年早々のバブル崩壊後、1993年に『清貧の思想』がベストセラーに。でも中高年は広く感動したものの若者たちはピンとこず……。その後2010年頃からアメリカで〝ミニマリスト〟がブームに。〝過剰に物を持たずにシンプルに暮らす〟って、清貧と根本は同じですが、オシャレ度が桁違い。若い世代の共感が爆発し、そして〝こんまり〟さんの登場。時代のキーワードとなる本や人が登場し、今の流れができてきたんじゃないでしょうか」とブームを分析するのは、元祖カリスマ書店員として知られる代官山蔦屋書店の間室さん。
「部屋はスッキリしているのに、人づきあいは膨大に抱えてどんより、という人はいないと思うんです。部屋は人に似る、人は部屋に似る、と私は思っていて、推薦した本は、モノだけでなく人間関係を整理したい人に読んでいただきたいです」
代官山 蔦屋書店 間室道子さん推薦の4冊
『片づけたい』
内澤旬子/佐野洋子/沢野ひとし/ジェーン・スー/柴田元幸/松浦弥太郎 他 著 河出書房新社
片づけ下手の苦悩、別れがたき品、掃除道具へのこだわり……作家たちが綴る片づけにまつわるエッセイから気持ちよく生きるヒントが見つかる。「捨てる人あり溜め込む人あり、ジェーン・スー、川上未映子など人気の書き手32名の人生が見えるエッセイ集」
『あなたを選んでくれるもの』
ミランダ・ジュライ 著
岸本佐知子 訳 ブリジット・サイアー 写真 新潮社
映画の脚本執筆に行き詰まった著者は、フリーペーパーに売買広告を出す人々を訪ね、話を聞いてみることに。心を打つインタビュー集。「ご近所情報誌の『売ります・買います』コーナーから見える投稿者の人生とは?ひたむきさが胸を打つドキュメンタリー」
『今日も、ちゃ舞台の上でおどる』
坂口涼太郎 著 講談社
多才でユニークな俳優による初のエッセイ。「本書の核は『らめ活』。著者はみうらじゅんさんの『さよなら私』を読んで、あきらめ活動=通称『らめ活』を思いついたそうですが、最終目標は『明るいほうへ』であることが、本書のどの章からもあふれています」
『フランス人の部屋にはゴミ箱がないおしゃれで無駄のない暮らし』
MIKA POSA 著 PHP研究所
多くのフランス家庭を訪ねてきた著者が「無駄のない」パリのシンプルな生活術を紹介。「『日用品をストックしない』『果物はインテリアの一部』など、そう来ますか!のフランス人の日常。『ゴミ箱があるからついゴミを出すのだ』と言われて目からウロコ!」
Information
代官山 蔦屋書店
住所:東京都渋谷区猿楽町17-5
https://store.tsite.jp/daikanyama/
『クウネル』2025年11月号掲載 写真/鳥羽田幹太、取材・文/吾妻枝里子