シルバーヘアが美しい山岡まさえさんの秋のおしゃれ。ディテールまでこだわった60代のためのスウェットパンツも

60代のシンプルな暮らしとカジュアルファッションを発信している山岡まさえさんの秋のおしゃれをスナップ。美しいシルバーヘアがデニムスタイルを軽やかに仕立ててくれます。
自分らしくいられるデニムスタイル
この夏、還暦を迎えた山岡まさえさん。主婦から45歳で起業し、現在は「グルーデコ®」「グルー継ぎ®」というハンドワークの講師を育成する一般社団法人日本グルーデコ協会の代表理事を務めています。
多くのものを持たないシンプルな暮らしを実践中で、心地よい暮らしやカジュアルのファッションを投稿するInstagramはたちまち人気となり、現在はフォロワー数12万超えでマチュア世代に熱い支持を得ています。そんな山岡さんに秋のおしゃれを見せていただきました。

春に購入した『ZARA』のデニムフリルシャツ。スッキリしたシルエット、デニム素材なので甘すぎない。ボトムも同系色のデニムを合わせてワントーンコディネートに。デニムは『TELA』のもの。
暮らしをシンプルにミニマルにするなかで、クローゼットの中も大整理。以前より1/3ほどになったというワードローブは、自分が本当にしっくりくる服のみに。一軍服しかないので、毎朝のコーディネートも迷うことはなく、ほんの数分で決まるのだそう。
この日のコーディネートはデニムのワントーンコーディネート。“カジュアルさ”だけではなく、素材や合わせ方で落ち着いた余裕を感じさせ、身体に無理のないシルエットを選びながら、上質な小物やアクセサリーで品をプラスした「大人の余裕と心地よさに品も添えて」がテーマ。
「デニムは微妙に色が違うので色のトーンを合わせることがコツデニムであったとしても、そんなに難しく考えず、色を合わせるということに注目していただくことが大人世代でもデニム×デニムのコーデを楽しんで頂けると思います」

足元は『ドクターマーチン』の3ホールシューズ。ちょっとゴツメのシルエットが、全体のバランスを取ってくれる。「ドクターマーチンをInstagramでアップしたら、若いフォロワーさんも増えた気がします」
ファッションで大切にしているのは、着心地がいいこと、シルエットが自分の体形にフィットしていること、そして「いい感じに見える」こと。「以前は、人前に立つ仕事ということもありスーツたたくさんあったり、ブランドものの服もいろいろとありましたが、結局そういう服は普段は全く着ないし、自分らしくもないと思いほとんどを手放しました」

ネックレスは『ルイ・ヴィトン』のペンダントトップに、そのほかチャームをいろいろ足してカスタマイズ。「じゃらじゃらしている」のが今の気分。カジュアルコーディネートのアクセントになります。

バッグは『Ayakaiwasaki』の〈ワンハンドルバッグ〉。廃棄予定の革を使い、ひとつひとつ手作業で手染めしたという一点物のバッグ。「前はハイブランドのものを持ったりもしていましたが、いまは、カジュアルで気楽に持てるものが心地いいです」
シルバーヘアにしてからもっと自分が好きになりました
セミロングのシルバーヘアがトレードマークですが、約7年前からこのスタイルに。子どもが学校を卒業したことを機に、「もういいかな」とヘアカラーを辞めました。
「シルバーヘアにしてからは、驚くほど気持ちがラクになりました。ヘアカラーの頻度に追われることもなくなり、頭皮が健康に。肌を褒められることも増えました。もちろん、実年齢より老けて見られることもあり、いい事ばかりではありません。でもそれも含めて、『自分らしさ』を楽しむ余裕が出てきました」

シルバーヘアはとにかくツヤが命と、月に一度はヘアサロンでトリートメントをしています。「コスト的には、毎月白髪染めをすることを思えば、それと同じくらいなので気になりません」
60代のための服作りに挑戦

『DIGNITY』の〈maoyamamade 60'sキレイめスウェット〉、〈maoyamamade 60'sカジュアル白T〉。※2025年10月1日(水)より期間限定で受注販売あり。
この秋、新たな挑戦として洋服づくりを始めました。『DIGNITY』というブランド名で、着用のTシャツとスウェットパンツが第一弾のアイテム。「テーマは『60代のための白Tとスウェットパンツ』です。60歳の私が、同じ60代のために作った「きれいめスウェットパンツ」。スウェットは楽だけれど、だらしなく見えてしまう──そんな悩みを解消するために生まれました。

「楽なのに、きれい」を目指した大人のためのスウェットパンツ。素材も縫製も日本製にこだわった。
「脚のラインをまっすぐ見せるシルエット、厚地で落ち感のある上質なコットン素材、そして短すぎず長すぎない絶妙な丈にこだわりました」

20年以上着ているデニムジャケットは、「着すぎていてタグが薄くなり、どこのブランドのものかわからなくなっている」ほど愛用している。破れたところは、自分でお直し。
PROFILE
山岡まさえ・やまおかまさえ
「グルーデコ®」「グルー継ぎ®」というハンドワークの講師を育成する一般社団法人日本グルーデコ協会代表理事。日々コーディネートや暮らしの気づきを紹介するインスタグラムも人気。@yamaokamasae
写真/山岡健一郎、取材・文/鈴木麻子