伝説のグラフィックデザイナー『堀内誠一展』開催中!創刊当時の『anan』や巨大『ぐるんぱのようちえん』など見どころ膨大!

東京・立川のPLAY! MUSEUMにて、アートディレクター、デザイナー、絵本作家の堀内誠一の展覧会『堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE』が開催中。雑誌や絵本など、多彩な活躍をしていた堀内さんの幅広い製作活動のほか、同氏を敬愛する110名の著名人が好きな作品を紹介するセクションも。本展の見どころをここでチェック!

3つの展覧会を同時に楽しめるような『堀内誠一展』

『堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE』会場入り口にて

東京・立川の『PLAY! MUSEUM』にて、マガジンハウス社の雑誌のアートディレクションをはじめ、絵本『ぐるんぱのようちえん』(福音館書店)などで知られる堀内誠一さんの展覧会が開催中。会期は2025年4月6日(日)まで。

堀内誠一さん(1932-1987)は、戦後14歳の若さで伊勢丹百貨店の宣伝部に入社。その後、広告制作会社で雑誌の世界へ。1970年、平凡出版(現・マガジンハウス)がファッション雑誌『anan』を創刊することになり、アートディレクターに抜擢されました。

さらに26歳で初の絵本を出版するなど、さまざまな経験を積み、1973年から81年にかけて家族でパリに移住。ヨーロッパを中心に世界を巡り、旅行記やガイド本を出版しました。その後、54歳の若さで亡くなるまで、ひとつの肩書きにとらわれず、多彩に活躍していました。

本展は、そんな堀内さんのクリエーションの幅広さと魅力を伝えるため、「FASHION」「FANTASY」「FUTURE」という、「F」を頭文字にした3つのセクションで構成されています。

セクションごとに、異なる3組のアーティストやクリエーターが展示空間のデザインを担当。3つのテーマ別で、それぞれ個性あふれる展覧会を同時に体験することができるようなユニークな構成になっています。

展示空間のデザインを手がけたアートディレクターの有山達也さん、設計事務所imaから小林恭さん、小林マナさんら。

展覧会のコンセプトは「生きるよろこび」。まさに“時代を創った”堀内さんが、あらゆる創作活動を通して表現した世界の美しさに触れることができるはずです。

大人も子どもも年齢関係なく楽しめる、見どころいっぱいの本展。さっそく見どころをレポート!

見どころ1:
名作絵本のかわいい世界に没入する

名作絵本『ぐるんぱのようちえん』が巨大絵本に!

幼い頃から絵を描くことが大好きだった堀内さん。生涯で70冊以上の絵本を残しました。「FANTASY」展では、堀内さんが手がけた絵本をテーマに『ぐるんぱのようちえん』や『オズの魔法使い』、『くろうまブランキー』など、9つの名作を楽しむことができる空間になっています。

「FANTASY」展の導入は、『おおおとこのおくりもの』(1977年)。

月刊誌『よいこのくに』に掲載されていた作品。単行本になっておらず、こちらでは原画が全画面展示されています。

繊細なタッチの絵とストーリーを合わせて楽しんで。

まるで絵本の世界に迷い込んだかのような動線にワクワク!

一番大きな展示室は、高さ3メートルの大きな絵本や壁で仕切られています。名作が巨大になっているので、細やかな描写を楽しめます。さらに、美しい原画をじっくり鑑賞することができます。

なかでも注目したいのが、会場中央に広がる『ぐるんぱのようちえん』のゾーン。大きなぐるんぱ像がいる大広場で、作品の世界観に没入することができます。

3メートル超えのぐるんぱ像がお出迎え。頭の上にお皿やビスケットを乗せた愛らしい姿。

大きく拡大された絵本を近くで見てみると、ゾウの産毛を発見。絵の具の質感など、この機会にじっくり楽しみたい。

絵のタッチから使われる画材の違いまで、改めて堀内さんの表現の多彩さに驚くはずです。

また、「物語やファンタジーの魅力を伝える」ということにも尽力していた堀内さん。堀内さんが愛し、影響を受けた作品が並ぶ本棚もありますので、ぜひ手に取って読んでみてください。

見どころ2:
雑誌『anan』まるで映画のような世界へ

『anan』は、日本初となる大判ヴィジュアル女性誌として創刊しました。

雑誌のアートディレクターやグラフィックデザイナーとしても長きにわたり活躍していた堀内さん。誰もが知るマガジンハウスの雑誌『anan』『BRUTUS』『Olive』『POPEYE』などのロゴデザインも堀内さんの仕事です。そのロゴは今も使われ続けています。

堀内さんが手がけた雑誌の膨大な仕事のなかから、創刊号から49号までを手がけたファッション雑誌『anan』にフォーカスを充てたのが「FASHION」展。

堀内さんは、表紙デザインや誌面全体のアートディレクションを担当。当時の『anan』では、ファッションに加えて、食や旅行、音楽、アートなどさまざまなカルチャーシーンを鮮やかかつ自由にレイアウトした誌面を展開していました。

こちらの壁沿いには、26号を全ページ掲載。広告や白黒ページも一冊丸ごと読むことができます。

さらに壁面には、当時の空気感やトレンドを伝える誌面が拡大展示されています。その様子は圧巻!海外ロケ地で撮影されたものなど、その世界観はまるで映画の1シーンのよう。写真の世界観やデザインだけではなく、文章までも読み応え抜群です。ぜひじっくり読んでみてくださいね。

さらに、貴重な当時の『anan』を手に取って自由に読める小部屋もあります。

小部屋は、今でも愛され続ける『anan』のロゴが一面に! こちらでは撮影可能なので、ぜひフォトスポットとして。

見どころ3:
著名人110名が選ぶ「私が好きな堀内作品」

展覧会の最後は「FUTURE展」。こちらは、生前の堀内さんと関わりがあった方や、堀内さんに影響を受けた方など、総勢110名が推薦する堀内作品とコメントがずらりと並ぶ空間になっています。

コメントとそれに紐づいた堀内さんの作品を同時に楽しむことができます。松浦弥太郎さんや原由美子さん、スズキコージさん、秋川リサさんなど、参加されている皆さんの想いやエピソードを読んでいるだけでもワクワクします。

雑誌『クロワッサン』表紙ラフレイアウト

雑誌『オリーブ』創刊号

順路は、作品を発表した時系列になっているそう。到底ひとりの仕事とは思えないほど、同時期に手がけていた作品のバリエーションに驚くはずです。

推薦者のまなざしを通して、堀内さんの作品の多様性にも触れることができる空間になっています。

見どころ4:
かわいいオリジナルグッズやカフェメニュー

展覧会オリジナルグッズも、その一部ラインナップをご紹介!

『ぐるんぱのようちえん』のビスケットが描かれたエコバッグやTシャツ。

エコバッグを収納ポーチに入れるとビスケットに。ビスケット型のポーチもかわいい!

『どうぶつしんぶん』のエコバッグや、大人も楽しめるキャップも人気!

欠かせないポストカードも、種類豊富。

お土産にもぴったり。ぐるんぱの缶入りフルーツゼリー。

絵本の質感まで楽しめるタイルマグネット。

そして、鑑賞を楽しんだあとは、ミュージアム内のカフェでひと休みを。

『ぐるんぱのようちえん』や『ふらいぱんじいさん』などをモチーフにした、フードやデザート、ドリンクメニューが充実!

ぐるんぱの祝祭プレート

カフェ内では、堀内さんが手がけた絵本や旅行記なども読むことができます。

大充実の『堀内誠一展』。たっぷりと楽しみたい方は、ぜひ時間に余裕を見て遊びに行くのがおすすめです。

『堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE』

会期:2025年1月22日(水)〜4月6日(日)
会場:PLAY! MUSEUM(東京都立川市緑町 3-1 GREEN SPRINGS W3棟2F)
開館時間:10:00〜17:00(土日祝は18:00まで、入場は閉館の30分前まで)
※当日券で入場可能。土日祝および混雑が予想される日は事前決済の日付指定券(オンラインチケット)を販売。
休館日:2025年2月16日(日)

HP:https://play2020.jp/article/seiichi_horiuchi/

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