人付き合いレッスン。優しい関係のための言葉の伝え方、3つの言い換えテクをエッセイストが提案

〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバー、整理収納アドバイザーでエッセイストの青木美詠子さんの「言葉の伝え方・言い方」についての記事。思っていることを相手に適切に伝え合いながら「優しい関係」でいるためには?言葉のコミュニケーションについて、青木さんなりの考えを綴ります。

ケンカを減らすには、どうしたらいい?

よくケンカする相手と、そうじゃない相手がいるって不思議じゃないですか。前者は家族(夫婦、親子)や、親友など。気を使わず、ズバッと言うからかと思います。後者は会社関係や友達、近所の人など。あまり踏み込まず、丁寧な物言いをするからでしょう。

じゃあ、前者にも後者への丁寧な言い方をしたら、ケンカが減るのでは、と思うわけです。

「親しき仲にも礼儀あり」ですよね。でも「そんなに気を使ったら、気を許せる場所が気詰まり」ということもあるのですが、「少しだけ変える」ことで関係がよくなると思います。
私が経験から改善したものを、3つお伝えします。

1_命令文→疑問文に。

誰でも「○○くらいしてよ」「○○やりなよ!」とか言われたら、イヤな気持ちになると思います(自分への仮のセリフをつくって味わってください。「掃除くらいしろよ」とか)。

「だって言わないとしょうがないよ、やらないんだから」と思いますが、ずっと改善されないのなら、その伝え方は成功していないのです。

そこで疑問文に、という提案です。
●「やって」→ 「今、これできる?」
●「片付けて」→「片付ける時間、いつとれる?」とか。

疑問にすると、相手へのちょっとした尊重が入り、相手にもいちおう選択の余地があります。日本語は喋りつつ、語尾までに疑問文に変えられるのも便利。「やって.....もらえる?」とか。

また「○○なんだけど、どう?」「どう思う?」と相談風にするのも有効。

疑問文ではないですが、「 ○○してくれたら嬉しい」も同じことを言っているのに優しいです。

2_エスパーじゃないから、細かく伝え合う。

生活の中で、言葉はとても大切。

あなたも相手も、お互いの心の中はわかりません。「こうだろう」と思っていたら真逆で、「そうだったの?!」もよくあります。うちでも細かく伝え合うことで、ケンカの元が激減しました。

また最近思うのは、「今○○だから、○○してる」と詳しく説明するほうがベターということ。「今、余裕ない」じゃなくて、「これとこれをやらないといけないから焦ってて、できない」とか。冷たさも減るし、納得しやすいです。

また相手が暇そうに見えても実はわからないから、「今、どんな状況?」とか尋ねることもあります。

また友達とのLINEは簡単な言葉なので、誤解も生まれがち。電話のほうがニュアンスも伝わって話も早いので、大丈夫なら LINE電話に切り替えたりもします。

3_素直な気持ちを話す。

どちらも○×の会話例で「こう言い換えたら」という本。『不機嫌な妻 無関心な夫』は、受け入れやすい話が多々。『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』は、近親者にもこういう言い方をしているかも、と参考に。

たとえば親に「こうしたほうがいいよ」と言っても全然聞いてくれない、とかありますよね。しまいにはケンカになり、同じことを何百回と繰り返したり(うちの親はすでに他界。言い合いはほぼなし)。

なぜ聞いてくれないのか、と思いますが、逆に親から「私に指示ばかりしないほうがいいよ」と言われるかもしれないですよね。自分の正義感で、頭ごなしに人をコントロールしようとするのが癇なのかもしれません。

これが最適かはわかりませんが、なぜ自分がそう言っているのか、素直な気持ちを真剣に話してみるのはどうでしょう。「私はこのほうがいいと思ってるんだよ。なぜなら、○○って後ですごく困ると聞くから。お母さんはどう思ってる?」という姿勢で。まず親の本音をよくヒアリングする
ことです。

すぐに受け入れてはくれないかもしれませんが、心の奥では響いていて、頑な気持ちがほどけていくかも。またグイグイ押し続けるより、「私も言い過ぎたから、もう言わないね」などと引いてみると、逆に効果的かと(相手に引き下がられると、言い返せず、真剣に考えた経験があります)。

伝え方って100も200もあるはずなのに、効果の薄い「その1」「その2」くらいを延々と使っているのかもしれません。具体的な言い方を本などで勉強し、違う伝え方を試すと、この先の人間関係も少し変わる気がします。

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この記事の
プレミアムメンバー

青木美詠子

1963年生まれ。整理収納アドバイザーの資格をもち、不定期にさまざまな自宅セミナーを開催。個人へのお片付けサービスも行う。著書に『あおきみさんち、家を買う。』(マイナビ出版)など。長年実践する「冷えとり」に関する著書も。
https://www.aokimi.com/
Instagram:@aokimieko1616

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