60代の暮らし替え、 都心から海を臨む高台へ。フォトグラファー・ 北島 明さん(後編)
ほっとする、リラックスできる、落ち着く。クウネル世代にとって部屋は、くつろげることが大切です。それは、家族の形態が変わりひとり暮らしをするようになっても、実家を引き継ぎリフォームすることになっても、都心から自然豊かな地に暮らし替えをしても、そしてパリのアパルトマンでも。自分のスタイルとさまざまなストーリーを持つ16組のくつろげる部屋をお届けします。今回はフォトグラファー・ 北島明さんのお部屋です。
間取り
庭のある家を求めて、思い切って湘南に。
仕事の打ち合わせもリモートが中心になり、地方移住や二拠点生活を始める同業者が増えてきたことも、湘南に引っ越すきっかけになったと言います。
「思っていたより電車の便が良くて都内へもあっという間。こんなことならもっと早くこっちに来れば良かった。引っ越してからは早朝に目が覚めて、仕事も家のこともテキパキはかどる。以前は深夜まで飲み歩くこともありましたが、庭の手入れをしたり、オーディオルームで音楽に没頭したりと、家で過ごす時間が楽しい。しばらく乗っていなかった自転車にも、また乗るようになりました。東京には、もう戻れないかもしれないな」
4月から九州産業大学で芸術学部写真・映像メディア学科の客員教授を務めることになり、実家のある福岡との二拠点生活がスタート。充実した毎日の中で、新たな創作意欲も湧いているのだとか。
「アトリエスペースを構えて、個人的な作品作りにも挑戦してみたい。環境の良いこの家に引っ越してから、いろんなアンテナが敏感になった気がします」
PROFILE
北島 明/きたじま・あきら
広告・雑誌・アーティスト写真などを中心に幅広く活躍。1990年朝日広告表現技術賞受賞。4月から九州産業大学芸術学部写真・映像メディア学科の客員教授を務める。
『クウネル』2024年7月号掲載 写真/北島 明、取材・文/吾妻枝里子