思い出が詰まった祖父の家を引き継いで。『PataPri』『Mon Souk』主宰・植村雅子さんのくつろげる部屋(後編)
ほっとする、リラックスできる、落ち着く。クウネル世代にとって部屋は、くつろげることが大切です。それは、家族の形態が変わりひとり暮らしをするようになっても、実家を引き継ぎリフォームすることになっても、都心から自然豊かな地に暮らし替えをしても、そしてパリのアパルトマンでも。自分のスタイルとさまざまなストーリーを持つ16組のくつろげる部屋をお届けします。今回は『PataPri』、『Mon Souk』主宰・植村雅子さんのお部屋です。
間取り
季節を感じられる環境が、居心地のよさを増幅させて。
一面野原だった場所に祖父が約70年前に建てた家は、植村さんにとって「思い出が詰まった家」だといいます。
「小さい頃から家族のなかでも私がいちばん頻繁に来ていた、とても愛着のある家でしたが、祖父母たちが住んだ後、空き家になりそうに。でも、私はあと1年で10年ビザが取得できる時で、まだフランスにいたかった。そんなときにアメリカから帰国した姉が、住居兼アトリエとして素敵に使ってくれて。『自分の好きなことしかしなかった』と言っていたので、彼女にとってもここで暮らせてよかったと思います。その10年ほどの間に私はマラケシュにも住めたし、夫にも出会えた。いろんなところに住んだけれど、今は、大好きだった祖父が建てたこの家に住むことができて嬉しいです。『無理ならモロッコに帰ろうね』というスタンスで決断して日本に来た夫も、ここを気に入ってくれて、ありがたいです」
PROFILE
植村雅子/うえむら・まさこ
シルクスクリーンでハンドプリントしたグッズの製作・販売をする〈PataPri〉と、モロッコのハンドメイド雑貨を販売する「Mon Souk」を主宰。Instagram:@patapri5413、@monsouk5413
『クウネル』2024年7月号掲載 写真/加藤新作、取材・文/黒澤弥生
SHARE
『クウネル』NO.127掲載
くつろげる部屋が好き!
- 発売日 : 2024年5月20日
- 価格 : 1000円 (税込)