パリのマルシェ初夏の旬カタログ!超希少なアスペルジュ・ソバージュってどんな味?
パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISの主宰・荻野雅代さんと桜井道子さんおふたりが、毎月交替でフランスから日々の暮らしをご紹介。今月は桜井さんが、パリらしい風景のひとつ、マルシェに並ぶ初夏が旬の野菜や果物についてレポートしてくれました。
フランスで季節の移り変わりを肌で感じられる場所といえばやっぱりマルシェ!今年のパリは4月になっても肌寒い日が続きましたが、ようやく春らしくなってきた5月半ばのバスティーユ市場に行ってきました。
以前、このマルシェを12月に訪れたときは、クリスマス前だったこともあり、高級なお肉や海の幸が目立っていましたが、今回は色とりどりの野菜や果物が店先にあふれていて、肉屋さんや魚屋さんの存在感がちょっぴり薄くなっているような気がして面白かったです。
今、旬真っ盛りの野菜といえばなんといってもアスパラガス。特に、ホワイトアスパラガスは春の味覚の代表格です。皮を上のほうからしっかりむいて、たっぷりのお湯で茹でたら、レモンやお酢をきかせた酸味のあるソースやマヨネーズでいただきます。
刻んだゆで卵とヴィネグレットで作るミモザソースも合いますね。古くはルイ14世の大好物でもあったそうで、ヴェルサイユ宮殿の華やかな食卓にもきっと並んでいたことでしょう。
同じ「アスパラガス」という名前でも、ほんの数週間だけマルシェに並ぶ貴重な野菜が、アスペルジュ・ソヴァージュ(野生のアスパラガス)。細長いつくしのような形をしていて、実はアスパラガスの一種ではなく、山菜です。バターやオイルで炒めたり、オムレツの具にしたりして食べるのが定番ですが、日本人としては、さっと塩ゆでしておひたしにしてもおいしい!味にクセはないのですが、独特の粘り気があるのが特徴です。
日本の普通のスーパーではあまり見かけないけれど、フランスではとてもメジャーな、ルバーブも今が旬です。食べる部分は茎なので、厳密には野菜なのですが、果物と同じようにコンフィチュールにしたり、タルトやクランブルの具にしたりして楽しみます。ルバーブの強い酸味をやわらげるような甘めのフィリングを用意すれば、あとは市販のタルト生地にのせてオーブンで焼くだけでおいしいタルトの出来上がり。
リンゴや洋梨などもともと甘い果物なら、生地にのせてただ砂糖を振りかけて焼くだけもオッケー、そんな肩ひじ張らないシンプルなおやつ作りは、フランスらしいなといつも思います。
取材・文/桜井道子
SHARE
この記事の
プレミアムメンバー
トリコロル・パリ
荻野雅代さんと桜井道子さんのユニット。パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISを主宰。最新ニュースやカルチャー、旅行・観光情報をはじめ、さまざまな情報を発信している。初のエッセイ『フランスの小さくて温かな暮らし365日~大切なことに気づかせてくれる日々のヒント』(自由国民社)は6万5000部のヒットに。
https://tricolorparis.com/