【住まいと暮らしvol.48】北欧に似ている北海道・東川で、自然を愛しむ生活ーセキユリヲさん

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の望月早苗さんのバトンを受けてご登場いただくのは、「サルビア」を主宰するセキユリヲさんです。

セキさんの暮らしのルール

1)早寝早起き。おひさまとともにある暮らし
2)自然の美しさをいつも感じられるようにする
3)創作の道具はすぐに取り出せるところに

3年前に東京から、木工・家具の町として知られる北海道・東川町に移住した、グラフィックデザイナーで「サルビア」を主宰するセキユリヲさん。
「自然が溢れる中で、のびのびと子育てしたいという願いが叶いました。家、町から山が見え、田んぼが美しく、木や草花を愛でながら暮らせます。ポジティブでやさしく、町をよくしようと考えている人が多く、夫婦で留学した北欧・スウェーデンの気候や、ものづくりの環境に似ているところも、移住してよかったと感じています」

最近では、北欧のカード織りのワークショップを各地で開催しているセキさん。
「この冬は、カード織りの織り物と古いかごなどを組み合わせた作品づくりに力を注いでいます。“東川手芸部”を立ち上げ、町内の日本語学校に通う留学生と、東川町民が交流できる場づくりをしたり、ファーマーズマーケットなどの企画運営も。春からは東京・蔵前のお店をリニューアルオープンする予定で、東川の良さや手仕事の大切さを感じられるお店づくりを計画中です」

子どもたちとの豊かな時間を大切に、手仕事やデザインの仕事を楽しみながら、畑を耕したり、暮らしを自分たちの手でつくっていきたいそう。
「家の中でも太陽の光を感じられるよう、仕切りのないオープンな空間にしています。できるだけ自然素材のもの、草花や収穫物など、季節を感じられるものを生活に取り入れながら、暮らしていきたいと思っています」

築50年の家をこつこつリノベーションしたというセキさん宅。「外装も内装も、家具も夫を中心にほとんど手づくりしました。壁が塗りかけのところもあり、今も住みながら直し続けています」

部屋の真ん中にある薪ストーブは、冬の大きな楽しみだそう。「スープを温めたり、ピザやパンを焼いて、できたて、アツアツをいただきます」

普段使う器は、家族みんなの手の届きやすい棚に。「北欧のものと、日本のものが半々くらい。シンプルで使いやすい大きさと形、重すぎないものが好み。アラビアのマグのイエローがアクセントになっています」

夏の間、畑でどっさり収穫したトマトをソースにして、毎年瓶詰めに。「冬の保存食として、パスタや煮込みなどにして、おいしくいただいています」

飾り棚には、庭で採れた草花や松ぼっくり、子どもの作品などで季節を感じられるように。「今の時期は、秋に採れた紫陽花をドライフラワーにしたものが、淡いベージュピンクのいい色になってきました」

畑で採れたディルをドライハーブに。「冬の間はインテリアのアクセントとして、来年の春は種を蒔いて。自然の恵みを味わっています」

ワークスペースの書類棚。「書類やこまごました文房具は、無印良品のボックスに収納。針や糸などの裁縫道具は、「IFUJI」のシェーカーボックスに」

古道具の窓枠を白く塗って額に仕立てて、自身のシルクスクリーンの作品を飾っているそう。

古道具の持ち手の金具を、棚板の下に取り付けて。「鍵や熊鈴、ヘアバンドなど、日常的に使うものを吊るしています」

セキさんがスウェーデンの手工芸学校で学んだ「カード織り」の作品。近くの川に流れ着いた、流木に吊るしてインテリアに。

窓辺には、藁で仕上げた小鳥や白樺細工など、知人の作品を吊るして。「作品越しの風景を眺めるのが、お気に入りの時間です」

カーテンは、好みのリネン生地をIKEAのカーテンワイヤーに吊るして使って。「シンプルで、光の透け感が気に入っています」

いつも温かく、美しく風景を切り取ってくれる、木の窓枠。葉っぱに雪がついている姿がかわいくて思わずパチリ。

子どもたちのデスクは、木工の工房を主宰するご主人の手づくり。「窓辺が明るくて居心地がいい場所。息子は、お気に入りの車のおもちゃで集中して遊んでいます」

森で拾ったという、枝つきのカラマツの松ぼっくり。「お花みたいでかわいい。自然物を家に取り入れると、穏やかな気持ちになります」

profile

セキユリヲ

グラフィックとテキスタイルのデザイナー。自然をモチーフにしたパターンを描き、暮らしのものづくりをする「Salvia」主宰。2021年春より東京から北海道・東川町へ家族で移住し、豊かな自然の中で、デザインや手仕事の活動をしている。最近は「東川手芸部」など、手仕事コミュニティづくりに取り組んでいる。
Instagram @yurioseki

セキさんがバトンを渡すのは、蜜ろうのキャンドルをつくる「lämpö(ランプ)」の古川敬美さん。「サルビアのアイテムである“みつろうラップ”の蜜ろうを作ってもらっています。根っこで大事にしていることが、自分と近いと感じる友人です」とセキさん。古川さんの暮らしは、1月末に公開予定です。どうぞお楽しみに。

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