60代夫婦ふたり暮らし。遺産トラブル回避のため、遺言書を作り法務局に預けてきました
〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーで、整理収納アドバイザーの青木美詠子さんが、「老後」を考えるシリーズ。遺言書を作成し、法務局に保管してもらうまでのレポートです。
相続で揉めないために
法務局に夫婦で遺言を預けに行きました。特別な理由があるわけではなく、老後のことを調べるうちに相続の記事も目にし、数年前からなんとなく考えていたことです。
たとえば、夫に先立たれた妻に、子供と親がいない場合、遺産は妻以外に兄弟にも少し(1/4)分割されます。「その1/4が貯金だけで払えなければ、家を売ってお金にすることも」なんていう記事を読み、自分達の金額も検討つかないまま、ちょっと怖くなったのです。でも妻が家に住み続けられる制度もできたようですが(「配偶者居住権」)。
我が家は夫が63歳、私が60歳。子供はおらず、親と兄弟は遠くにいて、まあ仲はいいほうかと。でも遺産相続で揉めるのは、巨額の財産がある場合より、少ないほうが多いよう(巨額の方は対策済みなのかも)。いずれにせよ遺言があればトラブルが減ると知り、さらに調べました。
でも縁起でもないし、夫には言いにくかったです。が、夫も有名人の相続顛末の本を買っており、その話から「やっぱり遺言がないと面倒みたいよ」「じゃあふたりで書いとくか」「書き方の本も買っておくね」などと話せました。
遺言書を作成し、法務局へ預けます
本の見本を参考に、慎重に手書きしました(夫は財産目録も)。印を押したら、「自筆証書遺言」となります(法務局のHPにも書き方あり)。令和2年からは、それを法務局に預ける制度(手数料3900円)ができたと知り、そうすることにしました。家に置いてあっても「開封の検認」というものが面倒そうだし、見つからなければ終わり、と知って。
その後、近くの法務局に電話予約。持ち物(住民票等)も確認しました。当日は、ブースにふたり並んで話を聞けます。まず夫の遺言から確認していきますが、内容をチェックしてもらえるわけではなく、形式のみです。
そこから内部の複数の方で確認されるらしく、「約1時間後に戻ってきてください」と言われ、ちょっと驚きました。それで外のカフェを探し、モーニングを。「遺言出しに来たのに旅行みたいだね」と話しました。そして法務局に戻ると確認はすんでおり、保管証をもらいます。
「安心」をひとつ増やしました
次に私の遺言も確認。紙が1枚の場合、「1/1」と書くのを知らず、緊張して書き足しました。同じく1時間後、無事終わり!遺言は取り下げたり、新たに書いたりもできるそうです。亡くなった時、兄弟等に通知が行く設定にもできるようでしたが、ふたりが元気な今は、とりあえずしないことに。後で変更もできるとか。
とりあえず無事に終わり、ほっとしました。これでいざという時、どうなるのかはわかりませんが、事態を複雑にしない、という点で助けになることを願いたいです。全体的に難しく、私の理解が足りないところもあるかもしれません。また制度が変わることもあるので、どうぞよくお調べください。
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この記事の
プレミアムメンバー
青木美詠子
1963年生まれ。整理収納アドバイザーの資格をもち、不定期にさまざまな自宅セミナーを開催。個人へのお片付けサービスも行う。著書に『あおきみさんち、家を買う。』(マイナビ出版)など。長年実践する「冷えとり」に関する著書も。
https://www.aokimi.com/
Instagram:@aokimieko1616