美しい花でも、花瓶にいけると決まらないということありませんか?「花をいろいろな角度から眺め、一番美しく見える角度を探して」と話す増田由希子さんに、今すぐ実践できるコツを教えていただきました。
小さな瓶に花を入れ、それをいくつか並べると空間に動きが出ます。
「花は1本でOK。さまざまな種類の花もひとつの花瓶だとまとめにくいですが、こうして並べるとしっくり。瓶はジャムやドリンクの空き瓶でも」と増田さん。
「切り花は楽しめる時期が限られていますが、枝ものだと、切り花よりぐんと長持ちですし、部屋のなかでの存在感も抜群です。たとえば桜の枝だと、芽から、五分咲き、満開、葉桜といろいろな表情が楽しめます」
大きめの口径の花器に少量の花をいける場合、そのままいけるやり方もありますが、花留めを使うとまた違った表情に。まっすぐ立たせたり、放射状にいけたり、花の向きなどを自由に動かせ、アレンジに幅が出ます。
増田さんはワイヤーで自作。約50cmにカットしたワイヤーを五重くらいに巻く。中央を指で寄せ、ワイヤーの端で巻いて留める。中央を支点に、両端のワイヤーを広げ、形を整える。
ますだゆきこ
フラワースタイリスト。雑誌などで「暮らしの花」の提案を行うほか、花教室の開催も。『花とお菓子』(立東舎) を上梓したばかり。インスタグラム @nonihana_も人気
『ku:nel』2020年5月号掲載
写真 柳原久子/取材・文 鈴木麻子