東京・原宿のシンボルとして90年以上親しまれてきたJR原宿駅の旧駅舎。その解体工事が、とうとう8月24日から始まりました。
長きにわたって原宿の”玄関”であり、”シンボル”として存在していた木造の旧駅舎。東京を代表するレトロ建築のひとつとしても広く知られていたこの駅舎、門構えを見るだけで、若き日の思い出が蘇る方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
2020年3月に3代目となる新駅舎にバトンタッチした2代目の旧駅舎は、本来東京オリンピックの後に取り壊す予定だったそうですが、大会の延期に伴い、防火などの安全性を考慮し8月24日から解体工事が始まりました。
尖塔(せんとう)をのせた「ハーフティンバー」と呼ばれる西欧のデザインや白い外壁が特徴だった原宿駅旧駅舎は、都内に現存する最も古い木造駅舎だったそうです。
竣工は1924年、つまり今から96年前のこと。しかし、令和の時代に見てもモダンで威風堂々、当時の意匠に感服するばかりです。
すでに稼働している3代目の新駅舎は、近代的なガラス張りの三階建てです。改札口やコンコースも広く、エスカレーターやエレベーターも完備。出入口は、竹下口に加えて、表参道方面と明治神宮方面の2方向に設置されました。また、新たにホームが追加され、山手線内回りと外回り、それぞれに専用ホームが整備され、利便性が高まっています。
また改札前には、極上のコーヒーが手軽に楽しめる「猿田彦珈琲 The Bridge 原宿駅店」や「NewDays KIOSK 原宿駅表参道口店」も誕生しました。
尚、旧駅舎の跡地には新たな商業施設ができるとともに、旧駅舎の資材を一部再利用しながら、外観を可能な限り模した建物も誕生予定とのことです。
戦火をくぐり抜け、震災や大きな台風にも負けず、大都会の真ん中で踏ん張ってきた駅舎に、心からのありがとうとおつかれさまを贈りたいですね。