【マチュア世代のおしゃれサンプル#08】大人の重ね付けは上品に。自分らしさの肝になるアクセサリーの取り入れ方

前回のおしゃれサンプル#07では、ワンピースの軽やかな着こなしをご紹介いただいた、デザイナーの酒枝えみさん。服をデザインする以前、20年ほど前からアクセサリーを自作していたんだとか。当時から愛用しているものや、祖母から受け継いだものなど、ブランドとの親和性も高いアクセサリーの数々と、それらにまつわるエピソードを伺いました。

酒枝えみ/さかえだえみ

デイリー&ドレスアップスタイルの両方を兼ね備えたブランド『TOKYO DRESS』のデザイナーを務める。アクセサリーはハイジュエリー系からコスチュームジュエリー、ロープライスのもの様々なものを集めているのだとか。instagram:@emilytokyodress.es

うるさくならない、上品な重ね付け

Sophie  Buhai』の大ぶりネックレスと、お友達のブランドだという『chigo』のロングネックレスを重ね付け。

ユーカリグリーンのワンピースに、少し青みがかった『JW アンダーソン』のバッグをアクセントに。リングは両方とも『エルメス』。

ブランドがローンチされた当初からお気に入りだという『Sophie Buhai』は、シルバーや半貴石、レザーなどを組み合わせたロサンゼルス発のアクセサリーブランド。「シンプルで有機的なデザインに惹かれて、オンラインショップもよくチェックしています。このネックレスはマグネット式で簡単に着脱できて、着け心地も軽いんです。コーディネートが華やぐのでよく身に着けています」

キリストモチーフのネックレスは、お守りのような存在なのだとか。

「小さいころによく教会に通っていたので、親しみを感じて長い間大切に使っています。長さが絶妙なので、重ね付けにもぴったり。重ね付けする際は色や素材を統一すると、全体の印象が調和して派手になりすぎません」

進むべき道を照らしてくれた、思い出のアクセサリー

小指リングは『hum』。ビーズのリングは20年以上前に自作したもの。縦糸を貼って、生地を織るようにビーズを織ってあるので、クラフト感がなく、なんとも言えないしなやかさと輝きがあります。

薬指に輝いているビーズ編みのリング。実は酒枝えみさんが洋服の仕事をする前に、セレクトショップに卸していたという自作のアクセサリーなんだとか。

「とあるお店でアンティークのビーズ織りのバッグを見たのをきっかけに、ビーズ織りに魅せられてしまい、何かに突き動かされるように当時働いていたアパレルの仕事を辞めてビーズ織りの学校に通いました。学校に通いながら趣味で自分のアクセサリーを作ってつけていたところ、いろいろな方から欲しいとお声がけいただいて最終的には1人では作りきれない大量のオーダーをいただくくらいまでになりました。自分の心からやりたいことを信じて動くことで、道は開けると教えてくれたきっかけのアクセサリーです」

家族の絆を感じるアクセサリーが、私らしさを作る

アンティークのチェーンと相性の良いリング。

メッシュバッグは青山の『L'ECHOPPE』で購入したもの。中にサイズがぴったりなゴールドのポーチを忍ばせて。ウッドブレスはヴィンテージ。

数あるアクセサリーの中でも、特に大切にしているものだというのが、祖母から受け継いだリング。柔らかく煌めくアメジストが素敵です。

「祖母とは血がつながっていなかったのですが、血縁でなくても家族になれると思わせてくれた大好きな祖母の形見です。サイズが大きめなので、ビクトリア王朝時代のアンティークのチェーンに通してネックレスにしています」

一つ一つにストーリーがある酒枝えみさんのアクセサリー。最後に、ご自身で購入する際に大切にしていることを伺いました。

ピアスは『Sophie Buhai』。小ぶりなピアスが見えるように髪をまとめて。

「あまり値段にとらわれず直感で気に入ったものを購入することも多いですが、高価なものを購入する際は、誰かにお譲りできるかも!という気持ちも大事にしています。私が祖母や義母から受け継いだアクセサリーも、身につけるたびに背筋がシャンとするし、一生モノのお気に入りを一つ持っておくだけで、自然と大人の余裕が出てくる気がするんです」

取材・文・撮影/久保田千晴

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