【広瀬裕子さんのかろやかな歳の重ね方vol.5】55歳は60歳に向けた準備期間のスタート

55歳大人のまんなか 猫

人生100年時代と言われる今。エッセイストとして活躍しながら、50歳目前で設計事務所での建築・空間ディレクションという新しい仕事を始めた広瀬裕子さん。昨年発売された著書『55歳、大人のまんなか』(PHP研究所)では、「もう55歳」と「まだ55歳」を行き来する「55歳の今」を描き、同世代の女性を中心に共感を集めています。

自分の現在地を客観的に捉え、かろやかに年齢を重ねている広瀬さんへのインタビューを、3回に分けてお届けします。

 

ーー『50歳からはじまる、新しい暮らし』から5年、『55歳、大人のまんなか』を出版されましたが、この5年間にはどんな変化があったのでしょうか?

広瀬さん(以下広瀬):50歳になる少し前、誕生日を迎える気持ちが今までとは違う感覚がありました。ギアが変わるというか、今まで年齢は延長線上にある気がしていたのですが、50歳で区切りがつくような感覚がありました。それってなんだろう。と自身を見直すことも含めて『50歳からはじまる、あたらしい暮らし』を書き始めました。

そこから5年経ってみると、45歳から50歳になるのと、50歳から55歳になるのって違うんですね。はっきり言語化できないこともあるんですが、「ああ、歳を重ねるってこういうことなんだ」という実感はあって、その感覚をきちんと書いておきたいなと思うようになりました。

――50歳と55歳、一番の違いはなんでしょう。

広瀬:50歳は、60歳までまだ10年ありますが、55歳はあと5年。55歳は60歳に向けた準備期間のスタートで、今できることをやっておきたいと思うようになりました。体力は落ちていくし、家族や仕事の問題も含めて、次にどういう準備をしておくべきか。ネガティブになるわけではなく、これからのためにきちんと備えて基礎体力を保ちたいという感じでしょうか。

――広瀬さんは50代を目前にして新しいお仕事を始められましたが、その原動力はどこから来るのでしょうか?

広瀬:できることはいくつになってもやりたいと思っているんです。無理はできなくなりますが、体力とは違うところで自分ができることは、望まれることはやりたいなと思っています。

急に人生100年って言われ始めたじゃないですか。実際はわからないですが、まだ半分って考えると、もう1、2回、最初から積み重ねていくものがあってもいいのではないかと思います。

新しいことの吸収率は若い頃に比べると落ちていますが、仕事を始めて私たちの世代は30年ほどの経験があるので、新しいことに今までのキャリアをブレンドしてアウトプットすることができると思うんです。仕事をしている方も、家庭に入っている方も、積み重ねてきた知識と時間はストックとして持っている。そこにプラスαで新しい情報を入れていけば、すてきなことができるんじゃないでしょうか。

昔まいた種を見つけて育てていく

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――新しいことを始めたくても何から始めたらいいのか分からない。そんな場合はどうしたらいいのでしょうか。

広瀬:私は昔からインテリアや建築が好きで、短大の専攻は住居学でした。卒業後は全く違う職業につきましたが、縁あって50代から建築事務所で空間設計のディレクションをやらせていただくことに。仕事をしていると「そういえば私、これがやりたかったんだ」と思い出すことがあるんです。好きだったこと、やりたかったことって日常に埋もれがちですが、以前まいた種がある気がするんです。大人になって少し自分の時間に余裕が出てきたら、その種を見つけ育てていくのもいいんじゃないでしょうか。

「これ楽しい」とか、「ここに行くのが好き」や、そういうものを大事にすればいいのかなと思います。リスが隠していた木の実を掘り返すように思い出す。なければないでOK。焦ることはないですし、ゆっくりならゆっくりでいいんです。やりたいことが見つからないことでのんびり暮らせるんのだったら、それもいいと思います。

●インタビューは次回に続きます。

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写真/加藤新作 (『55歳、大人のまんなか』より抜粋)
聞き手/吾妻枝里子

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