【広瀬裕子さんのかろやかな歳の重ね方vol.4】いくつになっても自分は自分。だから「老後」なんてない

人生100年時代と言われる今。エッセイストとして活躍しながら、50歳目前で設計事務所での建築・空間プロデュースという新しい仕事を始めた広瀬裕子さん。昨年発売された著書『55歳、大人のまんなか』(PHP研究所)では、「もう55歳」と「まだ55歳」を行き来する「55歳の今」を描き、同世代の女性を中心に共感を集めています。

「55歳は50代の楽しみと60歳への準備が重なる年齢」と語る広瀬さん。どうすればその期間を気持ちよくすごせるか、かろやかにいられるか。著書からそのヒントをいただきます。

今回は、クウネル世代なら誰もが気になる「老後」についてです。

 

老後はない

あるひとと話していた時、そのひとが「老後なんて本当はないのに」と言いました。 ひとの一生はずっとそのひとのままです。便宜上「ここから老後です」「何歳から老年期 です」と言われるからそう思うだけのこと。そのひとは、何歳になっても自分は変わらず自 分のままでそれがつづいていくだけ──と言葉の真意を話してくれました。

ひとそれぞれ区切りというものがあります。つづけていた仕事の区切り、子育ての区切り、 年齢により住まいを移すことなどもそうだと思います。だからと言ってそれが「老後」にな るわけではありません。老後になったらこうしよう、こうしなければ、というより、いまの 自分の延長線上にいる自分がその時に合わせていけばいいのです。

広瀬裕子 55歳、大人のまんなか 空

「老後なんてない」と思うと、霧がかかったように見えなかった先にある道がぱあっとひらける感覚になります。老後というと急に不安になったり、大丈夫かなと心配になったりしま すが、結局は自分のできることをして、生きていくしかないのです。準備できることがあれ ば準備をして、調べたり教えてもらったりしながら。たとえ備えていたとしても、世界その ものが変化することがある。わたしたちはそれを経験しました。そういうことになったとし ても、やれやれと受け止め、気をとり直し歩いていきます。

わたしは仕事ができるうちは仕事をしようとずっと思ってきました。いつか仕事ができな い時がくるかもしれませんが、その時でも人生を引退するわけではありません。それは仕事 は誰かにやらされるためのものではなく、自分のため、誰かのために、自らやるものだと思 ってきたからかもしれません。それを、いままでも、いまも、これからもつづけていく。

そこには「老後」とはちがう別のものがあります。形が変わる別の章がはじまる空気が漂 っています。それぞれのひとが手にしているそのひとだけの時間。人生という旅はつづきま す。よい旅になりますよう。

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