【麻生要一郎さんの、日々のごはん作りのヒントvol.1】自分をいたわるための自炊

麻生要一郎 エプロン

家庭的で丁寧に作られたお弁当のケータリングが口コミで広がり、雑誌への料理・レシピの提供、食や暮らしについてエッセイなどを執筆するようになったという、料理家の麻生要一郎さん。

日常の食卓を切り取ったレシピと短いエッセイで綴る、2冊目となる著書『僕のいたわり飯』が話題です。心と身体をいたわることができるのは日々の食事。献立の役に立つレシピはもちろん、気持ちを穏やかにしてくれる食卓づくりのヒントが見つかります。


■おひとりさまでも、自炊


母が亡くなってしばらくの間は、愛猫チョビとふたり暮らし。

その期間、僕は誰のためでもなく、自分のためにごはんを作っていた。あれやこれやと手をかけず、 鍋ひとつでできる簡単なものが多かった。

麻生要一郎 キッチン

料理は誰かのために作ったほうが美味しいというその「誰か」とは、 向こう側の人のこともそうだけれど、当然ながら「自分」という存在も含まれている。
今夜はこれが食べたい、ちょっと疲れているから、 昨日外食だったからなあ……

手をかけ、手を抜き、自分をいたわりながら手を動かして膳を仕上げていくのは、 大切な時間であると僕は思っている。


■ひとりでも、ちらし寿司


なにもハレの日ばかりではない。
僕にとって「ちらし寿司」は、ちょっと刺身が余ってしまったときにも勝手のいいメニューだ。 

麻生要一郎 ちらし寿司

今日はごはんの中に「どんこ含め煮」と合わせ、酢蓮やみょうがの甘酢漬けを細かく刻んで入れてみたが、もう少し簡単に、がりなどを用いてもいいだろうし、寿司酢を使ったり、せん切りにした大葉を混ぜたりしてもよいと思う。つい、のせる具材に意識がいきがちだが、ごはんに少し風味をつけてあげることで、いっそう美味しく仕上がるというわけだ。 

ご自分の好みの風味を導き出し、ひとりの食卓のときにこそ、ぜいたくに味わっていただきたい。

撮影/山田薫

※本記事は『僕のいたわり飯』(光文社刊)からの抜粋です。

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