「今読んでいる本が、次の本を読むヒントになる」と話す、書店員歴30年の間室道子さん。今回、クウネル世代におすすめしたい一押しとして、デビューから2作目の松井玲奈さん、朝吹真理子さんなど注目作家の作品を選んでくれました。
まむろみちこさん
『婦人画報』、朝日新聞デジタルなどで連載を持つ“元祖カリスマ書店員”。文庫の巻末解説も多数。
『本心』
平野啓一郎
舞台は2040年の日本。最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた29歳の孤独な青年・朔也の物語。 文藝春秋
「〝本物、本質、本音〟など、 本のつく言葉がちりばめられた『本心』 は、自分の本心にたどり着く青年の感動作。人工知能技術のほかに、格差、 外国人労働者、お金、死ぬ自由など、 読者に考えさせる芽がある作品。ボリュームもあるけど、読み応えはそれ以上です」
『琥珀の夏』
辻村深月
人気作家のミステリー。保活、共働き夫婦、母と娘の難しさなど、女性たちが抱えている問題もとらえた意欲作。文藝春秋
『累々』
松井玲奈
それぞれの人間関係から降りられない4名の女性が主人公の連作短編集。 死んだ愛が累々と積み重なっていく。集英社
『だいちょうことばめぐり』
朝吹真理子
写真 / 花代
若いまなざしにあふれた身辺雑記。 「隠れテーマは湯気。湯気越しに見えるような描写や写真が素晴らしい!」。河出書房新社
『瞳の奥に』
サラ・ピンバラ
訳 / 佐々木紀子
「ロマコメのような出だしだけど、最後まで読んだ時、自分たちは何を読 まされていたのかに驚愕必至!」。扶桑社
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