静岡・沼津で暮らしの道具の店「hal(ハル)」を営む後藤由紀子さん。50代ならではの装い、台所の工夫、人付き合いのコツなど、暮らしにまつわるさまざまなことを紹介した著書を多数出版しています。日々の生活から生まれるアイデアや気づきは素直で等身大。多くのファンの心をつかんでいます。そんな後藤さんの暮らしのエッセイをお届けします。
贈りたいから、送るんです。
年末年始に限らず配布癖のある私は年がら年中おすそ分けをしています。
春には新茶、夏には梅干し秋にはワセリン、そして冬は昆布の佃煮や焼き海苔を配布しがちです。友達の中では「もうこんな季節?あっという間だねー」と恒例になりつつあります。
薬膳によると春は肝臓、夏は心臓、秋は肺、冬は寒さや冷えにより腎臓が弱りがちとのこと。先日受けたリフレクソロジーでも「腎臓が弱っています」と言われたばかりでした。立冬を迎えてからは黒い色の食材、具体的にはきくらげ・きのこ・胡麻・海藻などを摂ると良いらしく、なんとなく昆布や海苔に行き着いたというわけです。
負担にならないよう気軽に
贈り先の負担にならないためにも、常温で賞味期限長めというのも必須条件です。コロナ前は「今年もどうもありがとう」と忘年会やクリスマス会を頻繁にしていましたが、今現在はそうもいかないのでお礼のメッセージとともに勝手に送りつける手法を取っています。
お歳暮というほど仰々しくなく、軽い感じで贈っていると「届いたよ」と連絡が取れて改めて日頃の感謝の気持ちをお伝えする機会になります。最近はあえて電話をかけてくれる友達がいて、離れて暮らす私にはとっても嬉しいひと時となります。声を聞けるとこんなにも体温を感じられ心あたたまるんだなぁーと再確認。年齢的にも近況と共に健康ネタで締めくくること多しです。「健やかに穏やかにお過ごしくださいね。また笑顔で会えますように」とお伝えしてます。
用事がなくても気軽に会える日が来るのが楽しみでなりません。冬本番、あたたかくしてお過ごしくださいね。
後藤由紀子/ごとうゆきこ
静岡・沼津で器と雑貨の店「hal」を営む。飾らない人柄が感じられるエッセイや、着こなしも人気。近著に『毎日のこと、こう考えればだいじょうぶ。』(PHP研究所)。ママ向けオンラインコミュニティ「ママカレ」(小田急電鉄)で講師を務めるほか、YouTube「後藤由紀子と申します。」も好評。
http://hal2003.net
Instagram「@gotoyukikodesu」「@halnumazu」
●後藤由紀子さんの記事、そのほか
【住まいと暮らしvol.009】子供が巣立ち、夫婦二人暮らしになって見えた、暮らしの優先事項ー後藤由紀子さん