料理研究家・飯塚有紀子さんのこだわりキッチン。少ない収納でも美しく魅せる秘訣とは?

料理をするために、いつしか増えてゆく道具や材料。キッチンの収納やコーディネートでお困りの人も多いのではないでしょうか。家具で収納力を補い、統一感のある収納を心がけることで、便利で美しいキッチンに。工夫を施し、独自の世界観を生み出す飯塚さんのキッチンを紹介します。

飯塚さんのアトリエ、アンピュールは、浅草橋に佇むビルのワンフロアにあります。

「築50年、年季の入ったフローリングと南向きの窓が気に入りました。後付けの小さなキッチンはアトリエとしては十分ですが、収納が皆無なのでそこを補う工夫をしています」

収納家具の主力は、イケアのキャスター付きのワゴンです。

その収納力たるや、ボウルやふるい、タルトを伸ばすキャンバス、鍋、カッティングボード、ケーキクーラー、絞り出し袋など、棚一台分ほどに相当。材料を並べたり、焼き上がったタルトにクリームを絞ったりする作業台としても優秀です。

ほかにも、息抜きに欠かせない紅茶や日本茶は統一した缶にラベリングで分類したり、お菓子の型はケーキスタンドに重ねてオブジェ感覚でディスプレイしたりと、雑然と見せず楽しく収納する工夫がそこかしこにあります。そしてメタルとモノトーンでまとめた世界観も、プロならではのこだわりです。

「お菓子や料理が引き立つように、極力、色を使わないようにしています。渋好みなのは、生まれも育ちも浅草の江戸っ子だからかもしれません」

収納ゼロでも工夫次第でキッチンは使いやすくなる。

1 半径1m、賢者のキッチン。すべてが手の届く範囲にあるため、飛行機のコックピットのように無駄がない。

2 ワゴンの収納力は棚一台分。上段にはよく使うボウル、下段には鍋、横には絞り出し袋などを掛けてフル活用。

3 機動力もワゴンの強み。本日はレモンタルトの仕上げに活用。人前でのデモンストレーションにも役立つ。

4 お茶は缶に詰め替える。おもてなしや息抜きに欠かせないお茶は、合羽橋の高村製罐の丸缶で。

5 マスキングテープで分類。製菓材料のストックはジップ付きの袋に入れ替えてラベリングすれば、一目瞭然。

6 お菓子の型はディスプレイ。収納ゼロも見せ方次第という好例。お菓子の型は重ねてオブジェライクに。

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『ku:nel』2021年5月号掲載

写真 奥田一平  取材・文 間中美希子

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