【松永加奈のフランス便り15】パリでもGO TO?!海と魚を求めて南仏の小さな港町へ

南仏旅行

いまだ、コロナ自粛の中にありつつも「GO TO」キャンペーンが東京でも始まり、旅への思いも高まっていますね。在パリの〈クウネル・サロン〉プレミアム・メンバーの松永加奈さんも、南仏へとプチバカンスへ出かけたそうです。パリとは全く違う雰囲気の南仏ルポ、お楽しみください。

すっかり寒くなり、秋が短いパリはもう冬の気配。どんよりとした空を眺めながら、8月の夏真っ盛りに訪れた、南仏の景色に思いを馳せています。

今年は一時帰国もままならず、かといって他国へ行くのも難しい状況。さらに夫も多忙だったので、夏の旅行は諦めていました……。が!日本へ帰れないストレス(?)から「魚が食べたい(できれば生魚)」「海が見たい」という思いが募りに募って、パリから電車で南へ3時間半の小さな港町・セートへ小旅行に出かけました。

南部が地中海に面したセートは、フランス有数のマグロ漁港。さらに湖では牡蠣やムール貝の養殖が盛んで、名物はタコ料理というから、シーフード好きにはたまりません。場内マルシェにはずらりと魚屋が並び、パリではお目にかかれないような魚介がいっぱい!マルシェカゴを提げ、朝からマグロや生牡蠣を買い、地元の人に混ざって活気ある港町の雰囲気を楽しみました。

町の中心から北へ歩いて20分ほどいくと、趣ががらりと変わり、湖を有する静かな漁村が現れます。湖岸では洗濯物がはためき、のんびり釣りをする人も。ご挨拶して私もその横に座り、ぼーっと時を過ごしました。その湖と、町と、南に広がる地中海を一望できる、サン・クレール山の展望台は、セートの人気スポット。うっかり炎天下を歩いて登ってしまい、途中で何度も心が折れましたが、汗だくで辿り着いた頂上からのパノラマは格別。但し、しばらく膝が笑って動けませんでしたが…。

海辺に生きる人々から感じる逞しさや、ちょっと雑多で賑やかな空気感は、パリでは決して味わえないもの。陽射しをたっぷりと浴び、念願の生魚も海も堪能して、また1つ、フランスの小さな町の魅力を知ることができた2020年の夏でした。

こんなマグロがゴロゴロ並ぶ、町の真ん中の場内マルシェ。生牡蠣などをテーブル食べていると、すぐさまワイン屋さんが御用聞きに現れる…というシステム。  

お客さんはほとんど地元の方たち。料理方法を伝えると、可能な限り下処理をしてくれます。さすがに種類豊富で、お値段もパリではありえないほど安いです。

お刺身用に購入したマグロの皮を引いてもらうところ。フランス語で「皮を引く」という説明が通じず困っていたら、周りの方が通訳してくださいました。

静かな漁村の景色を眺めながら湖岸を散歩。綺麗な水の中をのぞいてみたら、ウニが転がっていてびっくり。左手に広がる湖では水着姿でボート遊びをする人たちも。

こちらのカップルは男性が釣り糸を垂らし、女性は網を手に水中をじーっ。釣り人があちこちにいたので、何が釣れるのか気になり、私は傍らでそっと見学。

今回の旅の目的の1つだった、日本人の職人さんがいる魚料理のレストランでは「ちゃんとした日本のお寿司」を食べることができて大感激。

モン・サン=クレアの頂上に建つ白い十字架。ちなみに堀辰雄が「風立ちぬ」と訳して日本でも有名な「海辺の墓地」を書いた詩人ポール・ヴァレリーはセート出身

なだらかな上り坂で苦労した帰り道は、まさかの「先が見えない長い階段」!見知らぬ道があまりに謎過ぎて、下りる前に呆然とする私の影が写っています…。

縦横に運河が走り、湖と地中海の間で独特な地形を成すセートの町。別名「南フランスのヴェネチア」と呼ばれているとか。

町の南側には美しい地中海が広がります。砂浜は庶民的で人も多すぎず、プライベートビーチのような雰囲気。遠方からの観光客ではなく近隣の人が多い印象でした。

南仏らしい青空に映えるカラフルな町並み。窓やバルコニーの造りもパリのアパートとは違います。

町の中心を流れる運河では、手漕ぎボートやクルーズ船などが行き交い、夏には「ジュット」という伝統的な槍試合も行われます。

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