人生折り返し地点で、モデル・菜木のり子さんがもがきながら到達した新境地とは?

人生100年時代のいま、50歳はまだまだ山の中腹くらい……。人生の後半戦は100%楽しく生きたいと切に願った〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーの菜木のり子さんが、新境地に至った過程について綴ります。

これからの生き方について考える

人生の時間が100歳まであるとして、半分を過ぎたここから先も、まだやりたいことにブレーキを掛け続ける日々を過ごして行くのかと思ったら、絶望感でいっぱいになりました。

仕事をしたり、「お母さん」になったりするうちに、色んな状況を体験。私なりに臨機応変(この言葉が正しいかな!?)になるべく対応できるように、色んな「私」を足してここまで来ました。
気がつくとその分量はかなりのもの。

本来の自分にプラスして、いろいろ背負って頑張ってきたけれど、もういいよね。
全部脱ぎ捨てて自由になろう。

これからは自分の気持ちに素直に生きると決めたのです。
初期設定に戻すというか自分に還るというか…...。

でもそれはなかなか簡単なことではなく……。
いつからか私は、何かをやってみたいと思っても完璧な状態にしてからでなきゃ、こんな状態でやったら恥をかく。と「恐れ」からくる感情に支配され、出来ない理由ばかり拾い集めて、結局やらなかった自分を正当化していました。

鎌倉「報国寺」美しい竹林があるお寺。

ひとり時間、風に揺れて唄う竹の歌を聴きながら林の中を散策。

立ち入り禁止を示す石。こう言う表現があるって美しい。

足元にハート形の石を発見。

散歩は瞑想にも「気付き」にも、もちろん運動にもなるから、大切な時間です。

「完璧でなきゃダメ」という抵抗勢力が邪魔をして

やらなかった事は、本当はやってみたかった事で、納得していたのは表面だけ。深いところでは鬱屈とした感情が膨らんで行き、伸び伸びと表現している人に対して、羨ましさから来る反発や、ジェラシーさえ覚えるようになっていました。恐れという感情は最強で、新しいことにチャレンジしようとすると即反応し、失敗したり、恥をかいたりする私の姿を頭の中でヘビロテさせます。
そのイメージ映像にせっかくの勇気は脆く挫け、芽生え始めた柔らかな芽はなん度も引き抜かれ、踏み潰されていきました。

人にはそうは思われないかもしれないけれど、日々モヤモヤを抱えて生きてきた。

「盛った私」ではなく「素の私」を

ある日。却下され続けられた気持ちが、主導権を握り続ける「恐れ」に対しありったけの勇気を振り絞って反撃に出たのです(自分自身の中で戦いが始まってしまった)。

「失敗したっていい」
「恥をかいたっていい」
「チャレンジはするだけでもすごい」
「完璧なんてぶち壊してやる」っと。

仕事で訪れた沖縄にて。2枚並んだ葉っぱがなんだかかわいらしくて、写真に収めた。

同じく沖縄でホテルの近くを散歩中見つけた松ぼっくり。こうやって切り取ると、物語が始まっていく。

雨上がり。緑に落ちた雨粒が光を受け、生まれたてみたいだった。

散歩中に見つけた2本の木、葉っぱの影が影絵のよう。

それはずっと言葉にできなかった心の叫びで、このままではもう嫌だという強い思いは恐れの成分であるプライドや、見栄、こんな風にみられたい。こんな人でいたいなどの「盛った私」もろとも、木っ端みじんに打ち砕きました。こうして恐れから来る自分自身との葛藤は解決されていったのです。

沖縄のまっすぐに伸びた道、青い空。いまの自分の気持ちとシンクロするようで気持ちいい。

自分の気持ちに素直になってやりたいことはやってみる。深い部分での体験や経験は感覚的なことも多く文字に置き換える事は難しくて、言い表せない気持ちがたくさんあります。それでも言葉にすることで受け取られ方次第では誤解が生してしまうかもと言う「恐れ」がありました。

でも、このシェアがもしかして誰かの役に立ったなら。という希望も込めた新たな視点の方を採用し勇気に援護射撃されて書いたこの原稿はまさに大きなチャレンジの一歩です。周りの目が気になって、自分を抑圧して来た今までの時間が、結果今の私にたくさんの事を気付かせてくれた。そう考えると人生に起こる事ってやっぱりそれが最高最善なのかもしれない。
そんな風に思う今日この頃です。

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この記事の
プレミアムメンバー

菜木のり子

14歳からティーン誌でモデルを始める。その後女優に。25歳から27歳をパリで過ごし、帰国後はCMタレントとしても活躍。
Instagram: @nagi_norico

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