息子の結婚・独立を機に、ほぼ初めての一人暮らしを楽しんでいる平松昭子さん。「仕事に集中できるようになり、作品のクオリティが上がった」といいます。自分が心地良いと思う感覚に従い、少しずつ模様替えを重ねたという住まいをご紹介します。
平松昭子/ひらまつあきこ
雑誌、書籍、ウェブ、広告など幅広く活躍する人気イラストレーター。ファッションブロガー、上方舞吉村流の名取としての顔も持つ。https://akikohiramatsu.com/
ピンクの色壁が愛らしい戸建てに、16歳の愛犬ゴローと暮らす平松昭子さん。
「イームズの家具はすべて『ギャラリー1950』で購入したヴィンテージ。リプロダクトのものは、やっぱりどこか違和感があるんです。家で仕事をしているので、本物の家具やアートに囲まれていることで、自分の作品も磨かれていくように感じます」
日本舞踊を嗜む平松昭子さんの代表的な作品は、ポップなイラストを掛け軸に仕立てたもの。部屋のあちこちに飾られた掛け軸は、イームズやイサムノグチなどのモダンな家具と、不思議とマッチしていて素敵です。
「いろんなテイストが好きなので、インテリアはあまり型にはめたくないんです。ベージュ一色でまとめるというよりは、バランスを見て差し色でピンクを入れてみたり……イラストを描く感覚に似てるかもしれませんね」
インテリアのヒントは海外のインスタグラムやピンタレストから。自身のブログやインスタグラムでも、インテリアと合わせた作品のディスプレイを発信しており、海外のフォロワーからの反響も多いのだそう。
「和と洋、伝統とポップをミックスした提案がしたいし、作品のバリエーションも増やしていきたい。息子が家を出て最初の頃は寂しくて仕方なかったのですが、今は忙しくて寂しいと思う暇がなくなりました。これから先は、自分自身の心地よさを大切にしていきたいです」
写真/目黒智子 文/吾妻枝里子 再編集/久保田千晴