ロンドン、ニューヨーク、ニュージャージーと、引越しを重ねながら住み心地のいい場所を模索してきたという阿部佳矢さん。そんな彼女が現在住んでいるのは、マンハッタンから車で2時間ほど北上したキャッツヒルズという町。雄大な景色の中で見つけた、自分らしい生活の形とは?
阿部佳矢/あべかや
生花アーティスト。一葉式いけ花一級師範として、ホテルや大使公邸の花装飾などを担当。モモグローバルフラワーズ(https://www.momoglobalflowers.com/)を主宰。NYを拠点にパリ、ロンドン、東京で活動中。
2020年にコロナ禍で街がロックダウンしたことをきっかけに、都市部を離れることを思い付いた阿部佳矢さん。
そしてキャッツキルズにある8haの野原に立つ平屋のログハウスを購入。農作業のほか、乗馬ツアーやラフティングのアクティビティに参加したり、自宅でミニコンサートなど趣味を楽しんでいます。
「家はなるべく手のかからないように、シンプルでクリーンを心がけています。周りの雄大な景色を見ているだけでも十分満足できますから」
これまで、出張も含め訪れた国は21カ国以上という佳矢さん。インテリアのインスピレーションは、泊まったホテルのインテリアなどから得ることが多いとか。
「好きなのは温かみのある北欧調デザイン。イメージを決めたらネットで検索。気に入った品は、海外からも取り寄せます。
といっても高価なものはほとんどなく、IKEAやホーム・デポで見つけることもあります」
引っ越しを重ねたことで、同じ部屋(物)でも見せ方で変わることを経験。そのためのアイデアを常に考えるのだそう。
「なんでもない雑誌の切り抜きでも、フレームに入れるだけで、ちょっと高価なアート作品のように見えるんです。フリマなどで可愛い絵ハガキやポスターを見つけたら、まず、フレームをどうしようかなって。
イメージ通りのものがなければ、自分で作ったりもします。絵皿やタペストリーは、そのまま壁に掛けるだけでも絵になるし、簡単だからよく使いますね」
身近なものをうまく取り入れて、自分らしさを表現。個性と感性を大事にしたその部屋は、佳矢さんが学んできた生花の見せ方と、たくさんの共通点があるように感じました。
写真/堀 応樹 取材・文/山田ヒロミ 編集/友永文博 再編集/久保田千晴