【気持ちのいい人生を歩く練習2】「自分の宣伝を声高にしない人ほど、すごい仕事をしてきた達人かも?」

引田かおりさん

引田かおりさんの新刊『「どっちでもいい」をやめてみる』(ポプラ社)が話題です。惹かれるのは、潔よく、示唆に富んだタイトル。長らく家族を優先して暮らし、自己肯定感に乏しかったという引田さんが、「NO」という練習を重ね、自分自身の「好き」を優先した先にみつけた気持ちよさについて、紹介してまいります。シリーズの最後には引田かおりさんのインタビューも。

【気持ちのいい人生を歩く練習1】愛犬の死を乗り越えて。「すべての不幸の源は、執着なのかも?」
からの続きです。


頼れるブランド品で 何気ないおしゃれを

ふと触れたブラウスがシルクだったり、お預かりしたコートがふわりと軽いカシミアだったりすると、その方のさりげないおしゃれに、本当に嬉しくなります。自分の宣伝を声高にしない人ほど、すごい仕事をしてきた達人だったりしませんか。そういうことと「何気ないおしゃれ」には、共通点があると思っています。ごくシンプルなデザインなのに、素材やカッティングがいいもの。そういうものを買い足していきたい今日この頃です。

アクセサリーは、小さなモチーフが好みです。「ヴァン クリーフ&アーペル」の「アルハンブラ」の赤いブレスレットは、還暦の誕生日のリクエスト。小さくてもキラリと光る輝きはさすがです。

引田かおりさん
「アルハンブラ」のブレスレットは、花モチーフですが可愛くなりすぎず、大人でもシックにつけられます。手首が見える春夏に、よく登場。もう若くはない手首に優しく寄り添ってくれて、頼りになります。(撮影/濱津和貴)

渋くキラキラ光るものも大好き。子どもの頃に、ときどき覗いた大人たちの引き出し。そこにはたくさんのキラキラが 詰まっていて、ワクワクしたのを覚えています。「ティファニー」の「ビーン」は、ギャラリーの名前とそら豆つながりです(フェブはフランス語で「そら豆」の意)。世代的にも「ティファニー」は憧れの特別なブランドでしたから、誕生日や結婚記念日に、少しずつリクエスト。

引田かおりさん
エルサ・ペレッティのデザインの「ビーン」シリーズ。 ちょっとおめかしなワンピースやV ネックのセーターなどを着るとき、 「輝きで仕上げ」という感じで、活用します。(撮影/濱津和貴)

ハイブランドのものがすべていいとは言 いませんが、技術と信頼の積み重なりに、感銘を受けることも確かです。いつの日か娘も使う日が来るかもしれません。

「ああ、カーリンこういうの好きだったな」と思い出になる、そういうものになりうる力があると思います。さりげなく、でも確かなもの。自分自身もそうありたいと願っているのかも知れません。


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