遠出が難しく、自由に人に会うこともままならない昨今。でも、だからこそ、気持ちが高揚したり、ほっと癒してくれる身近な存在に気付いた方も多いのではないでしょうか。自分なりの豊かさを追求する4人の女性たちに、お話を伺いました。
山葉子さん
やまようこさん/女優・モデル。
ティーン時代からキャリアを積み、現在は表現の場を広げ、舞台やMVなどでも活躍中。趣味で始めたタロット占いも大好評。
Instagram: @yoko_yama1202
十代でファッション誌の専属モデルとなって以来、雑誌や舞台など、人前に立つ機会の多かった山さん。そんな職業柄もあり、どちらかというと意識はいつも、“外側”に向いていたと話します。けれど今春以降、世の中が大きく変わろうとする中で、自身の中にも変化が生まれました。
「これまでは、お会いする人に自分がどう映っているか、ということを常に気にしていたんです。でも、自宅で過ごす時間が格段に増えて、気軽に仕事仲間や友人に会うことも叶わなくなったことで、散歩や瞑想する時間が増え、自分の“内側”をより深く考えるようになりました。すると自然に、自分が本当に好きなもの、必要なものを選ぶ基準が、研ぎ澄まされていったんです」
そうして自問した結果、山さんの暮らしの新たなスタンダードとなったのが、今回ご紹介したアイテムたち。どれも、一見シンプルですが、細部にこだわりを宿し、普遍的な美しさを持っているものばかりです。
「服選びひとつとっても、“自分のための服”という基準で、肌なじみが良くて、体はもちろん、心までリラックスできるものを選ぶようになりました」
ささやかだけど、自分にちょうどいい贅沢―――。
そんなものたちが、山さんの今日に、温かみを添えています。
『ku:nel』2021年1月号掲載
写真 砂原 文 / 取材・文 権 佳恵 / 編集 鈴木麻子