パリ郊外のインテリア。ブルーカナールやテラコッタなど「色」が素敵なインテリアジャーナリストの家

レティシア・ルヌヴィエール 自宅

長年の経験で培ったセンス、そしてこだわり。パリのマダムたちの暮らしには、おしゃれのヒントがいっぱい。彼女たちがごく自然にインテリアに取り入れているパリ・テイストを、学んでみませんか。過去『クウネル』で紹介したインテリアの記事から抜粋・再編集してお届けします。今回はインテリアジャーナリスト・レティシア・ルヌヴィエールさんのお部屋です。(※内容は取材当時・2024年7月のものです)

間取り

レティシア・ルヌヴィエール 間取り

インテリアとライフスタイルのブログが大人気のレティシアさん。1階が家族の共有スペース、2階がおもに3人の子供たちの部屋。そして3階が夫婦の寝室となっている。

壁を飾ることで、自分らしさが生まれる。

レティシア・ルヌヴィエール 自宅

リビングダイニングの一面だけ、ブルーカナールのペイントと壁紙でアクセント。ミッドセンチュリーの北欧デザインの椅子や仏製リスパル社の和紙と木の組み合わせの照明などをミックスして演出。

パリの中心部から電車で北西に20分。郊外の街コロンブに、レティシア・ルヌヴィエールさんが家族5人と暮らす家があります。

「前の住人がきちんとデザインして建てた家だったので、リノベイトは必要に感じず、間取りを生かして住んでいます。手を加えたのは壁の色と壁紙ぐらい」

 

レティシア・ルヌヴィエール 自宅

キッチンに続くガラス扉の奥のテラス。白いソファにオリエンタルなローテーブルを合わせた。ワークスペースの窓とソファの間には、さまざまな花器を並べた。

リビングダイニングルームは相対する壁の色をガラッと変えて、違った雰囲気に仕上げています。

「基本は真っ白すぎない温かみのあるブランカッシェ(アイボリー)で統一し、ダイニング側の奥の壁一面はブルーカナールにペイント。柱を中心に両側の壁にはイギリスのサンダーソン社の孔雀の羽模様の壁紙でアクセントをつけました」

レティシア・ルヌヴィエール 自宅

キッチンの天板は白、そして作業台の引き出しなどはリビングと同色のブルーカナールに。近々ここは塗り替える予定。壁には旅先で見つけたアートを飾った。

インテリアのアイデアは、インテリアブランドのアートディレクターをしている夫とともに決めることが多いそう。

「彼とはとても趣味があいます。壁を飾ると、インテリアに生き生きとした表情が生まれるというのが私たちの共通意見。だからアートや写真、オブジェ、時計など、さまざまなもので飾ります。それによって部屋が家族のくつろぎの場となり、友人も自然と集まり、誰もがリラックスできる家になるのではないかしら?」

実際、レティシアさんの家は友人たちから〝メゾン・ドゥ・バカンス〟(バカンスのための家)と呼ばれているそう。

レティシア・ルヌヴィエール 自宅

食器棚は元の住人がつくりつけたものを使っている。

レティシア・ルヌヴィエール 自宅

ゴールドのパイナップルは、なんと棚のフック。他にも猿のモチーフのフックなど、レティシアさんらしい遊び心。

テラコッタ色をアクセントにしたプライベート空間

2階と3階は子供たちの部屋や夫婦の寝室、バスルームなどのプライベートな空間なので、色を変えています。

「心おだやかに過ごせるよう、テラコッタ色をアクセントに、ピンクマロンなど、甘すぎないやさしい色にまとめました」

レティシアルノヴィールの寝室

3階にある主寝室。静かに落ち着ける空間にしたく、ここにはあまり物を置いていない。

壁の色だけではなく、ファブリックのミックスもインテリアに個性をプラス。

「モロッコやインドのエスニックの布やフランスの老舗メーカーのジュート織のタピ(絨毯)などを、家具とともにどうミックスして配置するかで、我が家らしい調和が生まれると思うのです」

レティシア・ルヌヴィエール 自宅

テラコッタ色のバスルーム。ラタン素材の鏡にアクセサリーをかけて、ドレスアップした際はここで最後にアクセサリーを選んでスタイリングを完成させる。

たとえばヴィンテージ×コンテンポラリー、ウッド×メタルなどの組み合わせ。そしてレティシアさんが好きなゴールドをポイントにしたミックス使い。好きなものや色を自由にスタイリングしているから、自分たちが心地よいと感じる空気と光が巡っているのだと言います。

「あとはやっぱり大人数で食事ができる広いテーブルや心地よいソファもくつろぎの必須アイテムですね」

レティシアルノヴィエールの家

階段の脇には、人気のライフスタイルショップ「メゾン・サラ・ラヴォワンヌ」で購入した丸いイエローのタピ(絨毯)、ヴィンテージの椅子、モロッコで購入した小さな四角い椅子でさりげないコーナーを演出。壁にかけた大きな黒と赤の絵は、友人の作品。

そういう意味ではすでに完成した家ですね、と問いかけると、「いえいえ、私たちはつねにインテリアに手を加えているんです。実は近々ダイニングの奥のブルーカナールの壁をFarrow&Ball社のペンキでローズ系のテラコッタに変える予定。それに合わせて壁紙も変えようと思うのですが、モチーフを何にしようかと悩み中なんです」

庭に面したリビングの壁一面には、サラ・ムーンの写真やアート、アンティークの燭台などを飾っている。天井の照明は70年代のバルサというアンティーク。

PROFILE

レティシア・ルヌヴィエール/Laetitia RENEVIER

ビジネススクールで観光産業を学んだ後、コンランショップでキャリアをスタートし、インテリアスタイリストに。現在はインテリアジャーナリストとしてブログが大人気。Instagram:@billieblanket

『クウネル』2024年7月号掲載 写真/篠 あゆみ、取材・文/今井 恵、コーディネート/鈴木ひろこ

SHARE

IDメンバー募集中

登録していただくと、登録者のみに届くメールマガジン、メンバーだけが応募できるプレゼントなどスペシャルな特典があります。
奮ってご登録ください。

IDメンバー登録 (無料)