60代の片付けビフォーアフター/後編。スッキリ片づけて、ものだらけの生活がストレスだったと気づきました

本当に気に入ったものがあればたくさんはなくていい。その分、ひとつひとつに思いを込めて。暮らしをコンパクトにしたら、風通しが良くなりました。眠りのデザイン研究室「衣香舎」主宰の吉田豊子さんのお片づけの記録です。

前編/母の他界、仕事の独立を機に住まいのアップデートに着手したら…からの続きです。

誰かのためから自分のために、居心地のいい住まいづくり開始。

〝家族のため〟から〝自分のため〟の住まいにスイッチした吉田さん。

「自分流、私らしさと言葉で言うのは簡単です。ファッションの自分らしさは確立しているものの、自分らしい空間イメージはぼんやりしていることに気づき、暮らしのスタイルテーマを見つけることから始めました」

Before

リビングダイニングルームの一角にあった、両親が使っていたキャビネット。

After

これでは収まりきらず、以前から注目していた『無印良品』のアソートできるキャビネットを購入。毎日使う仕事の書類やアクセサリーを使い勝手よく収納。

引き出しの中には吉田さんが普段愛用しているアクセサリー類がきれいに並べられて。

具体的にはどのように?

「シンプル、ナチュラル、クールスタイリッシュ、北欧スタイル、ジャパンディ、ブルックリンスタイル、和モダン、クラシック……など。その中でピンと来たのがクラシックとナチュラルでした。これらを自己流ミックスして、個性としての色と、色彩としての色を出そうと。さらに、古いものを蘇らせて長く使うサステナビリティ(持続性)も重要ワードに。もちろん同居している娘とも相談しながらですが、私の趣味嗜好に娘も共感してくれたのはありがたかったですね」

Before

雑然としていた愛犬コーナー。

After

「かれんが我が家に来て約2年。犬のいる生活は優しい気持ちにもなりいいものですね」。当初の愛犬コーナーは雑然としていたものの、カーペット、テレビ台、棚にグリーンを基調にして整頓。心なしかかれんちゃんもご満悦の表情!?

そして実行した、仕事場兼リビングダイニングルームの片づけ。

「スッキリ暮らすことがこんなにも気持ちいいとは!ものだらけの生活がどれほど苦痛で、毎日のストレスになっていたことか。自分流の居心地のいい空間ができて嬉しいですね。日本の古き良きものとモダンで上質な素材との組み合わせ、直線のグラフィックさとグリーンの融合。これからも母の嗜好と自分らしさをミックスして受け継ぎ残す。私にとっての快適な空間づくりが始まりました」

Before

ワーキングスペースでもあるダイニングテーブル近くの壁側コーナー。立てかけた本の上に本を重ねたりとせっかく飾った絵も隠れる始末。

After

置けるだけの本の数にし、必要なものは壁側のキャビネットにすべて収めました。

築50年ほどのマンションはゆったりとした間取り

1979年に両親が購入したマンション。5LDK100平米のゆったりとした間取り。廊下や各部屋は両親のものなどが多数あり、なかなか整理ができなかったそう。今回は暮らしのメインルームでもある、仕事場も兼ねたリビングダイニングを整理整頓してスッキリと。

PROFILE

吉田豊子/よしだ・とよこ

眠りのデザイン研究室「衣香舎」主宰 66歳

30年以上ナイトウェアやリラックスウェアを作る現場に入り2万点以上の製品開発に参加。その経験を生かして暮らしを豊かに過ごすための研究室やブランドを設立。

『クウネル』2025年5月号掲載 写真/玉井俊行、取材・文/河田実紀、間取りイラスト/丹下京子

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