50代になって思う、女友達との付き合い方とは?【hal 後藤由紀子さんの暮らしのエッセイ】
静岡・沼津で暮らしの道具の店『hal(ハル)』を営む後藤由紀子さん。50代ならではの装い、台所の工夫、人付き合いのコツなど、暮らしにまつわるさまざまなことを紹介した著書を多数出版しています。日々の生活から生まれるアイデアや気づきは素直で等身大。多くのファンの心をつかんでいます。そんな後藤さんの暮らしのエッセイをお届けします。
いくつになっても楽しい、女友達とのおしゃべり
中学時代の同級生から連絡があり、「○○○○が落ち込んでるみたい。3人でゴハン行こうよ」と。
何十年も前に机を並べていた友達と繋がっていて、いまも膝を突き合わせて、ああでもない、こうでもないとおしゃべりできるのはなんとも幸せなことです。
思い返すと、先の同級生やクラスメートから始まり、上京してからの友達、結婚出産してからのママ友、仕事絡みで仲良くなった友人など、人生のステージによってその内容は大きく変わってきました。
情報交換をしたり、近況報告をしたり。女同士のおしゃべりは実に楽しく、ストレス発散にもうってつけ。
モヤモヤした気持ちも、気の合う友人たちとしゃべり倒したらどこぞやに、ということも多々あります。
なんとなく疎遠になった友人への接し方
一方、一時はしょっちゅう連絡を取り合っていたという人とも、家族の転勤や引っ越しで物理的に離れてしまうこともあるし、なんとなく疎遠になってしまうことも。
私にも、いままで同じような経験がありました。
女性は結婚や妊娠・出産などでライフスタイルが大きく変わることがあるので、結果、境遇が近い人とのやり取りが増えるのはごく自然のことだと思います。
いままでと同じように誘ったり連絡したりしたのに、思うような返事がなかったとき、無理強いや深追いはせず、そっと「待ち」の体制に入るようにしています。
心や気持ちも、晴天があれば曇天や雨続きになることも。私だって、人と会うことはおろか、連絡をしたりSNSを開いたりすることすら億劫に感じるほど気持ちが落ち込んでしまうこともあります。
「北風と太陽」のごとく、自然に時間が解決するのを待つのがいいと私は思っています。
大人世代だからこそ、適度な距離感を見極めて
子どものころって「一緒に遊ぼう!」「一緒に帰ろう」という言葉だけで仲良くなれるのが素敵です。
大人になると真正面からそんなふうには伝えづらいけれど、なんとなく気が合う、ウマが合うということ、女友達に限らずあると思います。私もそう。
理屈じゃなく、肌が合うという感じ。ささいなことがたびたびシンクロしたり、快・不快の価値観が同じだったり。そんなとき、心の距離もグッと近くなる気がします。
加えて私の場合は、食べることが好きな食いしん坊さん、推し活に熱心な人、愚痴も言うけれど、いつも前向きな人。そんな人たちに惹かれます。
最近は友人から友達の輪が広がっていくことも多いですが、「この人と仲良くなってみたいな」「なんだか気になるな」という人には直接、連絡することも臆さないタイプ。いまはSNSがあるので、それも便利ですね。
それから、付き合いが長い友達とは言いたいことを言い合うし、注意したりされたりできるのも女友達の良さだと思います。
とはいっても、すべてをさらけ出したい人もいれば、適度な距離感を保ちたいという人も。
私はわりと「聞き役」に回るシーンが多いのですが、そのあたりを自分なりに見極めて、大人世代の友人関係を模索しています。
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この記事の
プレミアムメンバー
後藤由紀子
静岡・沼津で器と雑貨の店『hal』を営む。近著に『雑貨と私』(サンクチュアリ・パブリッシング)。ママ向けオンラインコミュニティ「ママカレ」(小田急電鉄)で講師を務めるほか、YouTube「後藤由紀子と申します。」も好評。voicy:ささやき女将のごきげんRadioも2022年よりスタート。
http://hal2003.net
Instagram:@gotoyukikodesu、@halnumazu