故郷に建てた木造平屋で、 家族と紡ぐ小さな感動。monshiroデザイナー・関谷聡美さんのくつろげる部屋 (後編)
ほっとする、リラックスできる、落ち着く。クウネル世代にとって部屋は、くつろげることが大切です。それは、家族の形態が変わりひとり暮らしをするようになっても、実家を引き継ぎリフォームすることになっても、都心から自然豊かな地に暮らし替えをしても、そしてパリのアパルトマンでも。自分のスタイルとさまざまなストーリーを持つ16組のくつろげる部屋をお届けします。今回はmonshiroデザイナー・関谷聡美さんのお部屋です。
間取り
暮らしの中心は家の外、庭が主役の理想の平屋。
夫婦がイメージしたのは、庭と繋がる横長の平屋。床材やドアなどの建具には、ヴィンテージ家具の買い付けをする夫が、ヨーロッパを中心に世界各地で出会ったものを取り入れています。
「家具や照明もヴィンテージが好きですね。時間を重ねて受け継がれてきたものを、手入れしながら大切に使っていきたい。小さい子供や犬がいるので、どうしても傷や汚れがついてしまいますが、その過程もおおらかに楽しんでいけたら」
それは家も同じこと。外壁には独自の色の変化が特徴的な越後杉、床にはチーク材を選び、経年による変化や傷も、家族の成長と共に楽しみたいといいます。
「この家はまだ完成形だとは思っていないんです。ライフスタイルや気持ちの変化に合わせて、壁を塗ったり仕切りを増やしたりして育てていく予定です。ウッドデッキを拡張したり、小屋を建てたりと、庭の進化も楽しんでいます」
庭仕事や家族との時間を確保するため、仕事を早めに切り上げるようになり、生活のリズムも変化したという関谷さん。おのずと手がけるジュエリーのデザインも変わってきたのだそう。
「以前は花モチーフなら、花のディテールを忠実に再現したい、と対象物にスポットを当てていたのですが、今は自然から受けたインスピレーションや、頭の中に残った景色を切り取りたいと思うようになりました。朝の光がきれいだな。そんな日常の小さな感動から、自然に創作意欲が湧いてくる。それはこの家に引っ越したおかげかもしれませんね」
PROFILE
関谷聡美/せきや・さとみ
新潟での自然と調和した暮らしから生まれるジュエリーブランド『monshiro』のデザイナー。自然豊かな地で三人の子供を育てながら、創作活動や農園事業を手がける。
『クウネル』2024年7月号掲載 写真/玉井俊行、取材・文/吾妻枝里子
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『クウネル』NO.127掲載
くつろげる部屋が好き!
- 発売日 : 2024年5月20日
- 価格 : 1000円 (税込)