富士山と海を眺めて暮らしたいと亡き夫が設計した家。イーオクト代表・髙橋百合子さん (後編)

ほっとする、リラックスできる、落ち着く。クウネル世代にとって部屋は、くつろげることが大切です。それは、家族の形態が変わりひとり暮らしをするようになっても、実家を引き継ぎリフォームすることになっても、都心から自然豊かな地に暮らし替えをしても、そしてパリのアパルトマンでも。自分のスタイルとさまざまなストーリーを持つ16組のくつろげる部屋をお届けします。今回はイーオクト代表・髙橋百合子さんのお部屋です。

前編はこちら

間取り

約175平米。築1年。玄関以外はすべて、使い勝手のいい引き戸。日本の木材を使用した木造建築。ユーティリティは、玄関からキッチンへとシンプルな導線で繋がり、バッグなども収納できる便利な場所。

自然を感じられる家は、地球上の天国のような場所。

ベッドルームのテラスは、日々変化する山や海の自然を一望できる絶景スポット。デュベカバー代わりの刺繍付きファブリックは、約30年前にアメリカで購入したもの。足元には『KLIPPAN』のリネン&シュニールコットンブランケット。「リネンとの混紡素材なので重すぎず軽すぎず適度なフィット感で、乾きも早いから、夏の寝室には最適です」

ベッドルームからリビングルームへと続く「濡れ縁」的なテラス。日差しの角度を計算した庇も効果的に。春は山桜、秋は紅葉の借景も楽しめる庭には、クラブアップルやジューンベリーなど実のなる木も植えて、本格的な庭造りはこれから。

「湯船に浸かりながら外の景色が見える」という、鈴木エドワード建築設計事務所の特徴が反映されたバスルーム。

「いちばんくつろげるのはベッドルームです。よく眠れるし、朝の目覚めは本当に気持ちよくて、晴れている日は真っ青な海と富士山をベッドから眺めながら、〝今日も快適!〟と起きます。また、リビングでくつろぐことも多いし、テラスから眺められるマジックアワーには、いつもうっとりしますね。家中どこにいても外を感じられる開放性のある家だから、ストレスがとけてなくなるのでしょうか。自然の中で思考が伸びやかに広がり、頭が冴え、リモートワークで効率よく仕事できています」。すべてが心地いい場所。

リモートワークをする書斎にも、外の景色が眺められる開放的な窓が。右側の本棚や家中のほぼすべての収納は、『ip20』というドイツの組み立て家具のシステムを使用。前の家で使用していたものを組み立て直して使う。

大切に育てているレモンの小さな苗木。食文化研究家の北村光世さん宅のオーガニックレモンを、種から髙橋さんが発芽させたものだそうです。

「もっと自然に もっと快適に もっとたのしく」──髙橋さんの会社が運営するサステナブルショップ・エコンフォートハウスが掲げるメッセージですが、「自然に」とは実はこういうことだと、この家に住んで、改めて実感したといいます。

PROFILE

髙橋百合子/たかはし・ゆりこ

サステナブルで環境にやさしい製品の輸入・卸、デザインの企画、制作、販売をする会社、『イーオクト』を2011年に設立し、代表を務めている。

『クウネル』2024年7月号掲載 写真/加藤新作、取材・文/黒澤弥生

SHARE

『クウネル』NO.127掲載

くつろげる部屋が好き!

  • 発売日 : 2024年5月20日
  • 価格 : 1000円 (税込)

IDメンバー募集中

登録していただくと、登録者のみに届くメールマガジン、メンバーだけが応募できるプレゼントなどスペシャルな特典があります。
奮ってご登録ください。

IDメンバー登録 (無料)