富士山と海を眺めて暮らしたいと亡き夫が設計した家。イーオクト代表・髙橋百合子さんのくつろげる部屋(前編)
ほっとする、リラックスできる、落ち着く。クウネル世代にとって部屋は、くつろげることが大切です。それは、家族の形態が変わりひとり暮らしをするようになっても、実家を引き継ぎリフォームすることになっても、都心から自然豊かな地に暮らし替えをしても、そしてパリのアパルトマンでも。自分のスタイルとさまざまなストーリーを持つ16組のくつろげる部屋をお届けします。今回はイーオクト代表・髙橋百合子さんのお部屋です。
間取り
自然を感じられる家は、地球上の天国のような場所。
里山の中の山道を上りきったところに建つ、髙橋百合子さんの自宅。夫で建築家の鈴木エドワードさんが、夫婦で住むために設計した家です。「富士山と海を眺めて暮らしたい」と、この葉山エリアに土地を探していたふたりは、2018年にこの場所に出会い、設計中によく訪れてピクニックをしていたそうです。翌年、基本設計が終わったときに夫が急逝。
「都内で快適に暮らしていたので、この山の中にひとりで住むことが考えられず、植林をして森にしようと思ったことも。でも、建築家である夫が、私が心地よく暮らすために何度も何度もどうしたいか聞いてくれて設計した、ふたりのための家であること。何よりも夫が愛していた地であること。だから、建ててあげようと思いました」と髙橋さんは決断しました。
そんな想いで建てた家ですが、住めば住むほど「遠くても帰ってきたくなる家」となり、1年前から本格的に移住。今は週3日、車と電車を利用し2時間半かけて都内のオフィスまで通勤する生活。
「逗子まで帰ってくると、海風のせいか空気が変わるんですよね。特に夏は、駅に降り立つといつも気持ちいいなぁと思いますよね」。この瞬間に、仕事モードのスイッチもオフに切り替わるそうです。
PROFILE
髙橋百合子/たかはし・ゆりこ
サステナブルで環境にやさしい製品の輸入・卸、デザインの企画、制作、販売をする会社、『イーオクト』を2011年に設立し、代表を務めている。
『クウネル』2024年7月号掲載 写真/加藤新作、取材・文/黒澤弥生
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『クウネル』NO.127掲載
くつろげる部屋が好き!
- 発売日 : 2024年5月20日
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