エッフェル塔が好き!プランタンの屋上から、サクレ・クール寺院から。パリに溶け込むエッフェル塔5景
パリ万国博覧会を記念して、1889年に生まれた街の美しきシンボル。1930年まで世界で一番高い建物だった塔は市民の誇りであり、心の故郷のような存在です。フランス在住歴20年以上で、”エッフェル塔コレクター”の編集者・酒巻洋子さんのとっておきの「エッフェル塔5景」をお楽しみください。
どこから見ても美しい、〝鉄の貴婦人〟はパリの象徴。
完成して130年あまり。建設当初は醜悪な建造物として、文豪モーパッサンなどからさんざん悪評を浴びせられたエッフェル塔。長き年月が流れ、今やパリの風景の一部として溶け込み、「鉄の貴婦人(la Dame de fer)」との愛称で親しまれるシンボルとなって、パリジャンにも、ツーリストにも愛される存在です。
\プランタンより/
老舗デパート、プランタンの屋上テラスからは、マドレーヌ寺院へと続く並木道の向こうにエッフェル塔の姿が。
\ブエノス・アイレス通りより/
ブエノス・アイレス通りに並ぶアール・デコ調の壮麗な建物の間にそびえたつ景色は、人気の高い撮影スポット。
『パリのエッフェル塔』 (産業編集センター)の著書がある酒巻洋子さんはフランスに暮らして20年以上。
「パリのいろんなところでエッフェル塔を見つけると、カメラを向けずにはいられない」という〝エッフェル塔コレクター〟です。写真はそんな酒巻さんが、近くから、遠くから、塔を撮影した写真の数々。
\サクレ・クール寺院より/
モンマルトルの丘に建つ、サクレ・クール寺院の階段を 300段上ったドーム展望台からエッフェル塔が遠景に。
「パリジャンがあえてエッフェル塔に上ることは多くないかもしれませんが、彼らにとって塔は誇り。以前、取材で訪れたホテルで、広報のパリジェンヌが『お客さんが見つけてくれたんですが、うちのホテルの屋上から塔が見えるんですよ』と教えてくれました。一緒に屋上に上って伸びあがって探したら、確かに塔の頭だけが見えたときはふたりで思わずにっこりほほえみあいました。ちょこっとでもエッフェル塔が眺められたときの喜びって、パリジャンにしても同じなんだなあと感じたできごとです」と酒巻さん。
\サン・ドミニク通りより/
トゥール・モーブール大通りから眺めると、サン・ドミニク通りのカーブの向こうにエッフェル塔が突然姿を現す。
景観を守るためのルールが厳しいパリでも、昨今、お店などの移り変わりは驚くほど速いのだとか。「でも石造りの建物が並ぶ街並みを見下ろすようにそびえるエッフェル塔を見ていると、その姿が変わらないパリを象徴しているようで、安心感を与えてくれているように思います」
\メトロ 6号線より/
セーヌ川に架かるビル・アケム橋の高架を通るメトロ6号線の窓からは、セーヌ川越しの塔がチラリと見られる。
教えてくれた人
酒巻洋子(さかまき・ようこ)
編集者・ライター・フォトグラファー
女子美術大学卒業後、料理を学ぶために渡仏。帰国後に再渡仏して、フランス滞在は20年を超える。現在は果樹園や牧草地に囲まれたノルマンディーに暮らし、貸別荘を経営。『パリにゃん』『フランスから届いたパンのはなし』など著書多数。
写真/酒巻洋子、編集/船山直子、写真協力/産業編集センター
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