今度の湯布院旅は情緒たっぷりの観光列車で行こう!「移動」ではなく「旅の目的」になる素敵な列車
急ぎ足の移動もいいけれど、のんびりと旅気分を味わえるのが列車の旅。JR九州では「D&S(デザイン&ストーリー)列車」と名付けられた観光列車が充実しています。注目の観光列車「かんぱち・いちろく」と「ゆふいんの森」を紹介します。
2つの列車で移動が素敵な旅に。
急ぎ足の移動もいいけれど、のんびりと旅気分を味わえるのが列車の旅。JR九州では「D&S(デザイン&ストーリー)列車」と名付けられた観光列車が充実していて、車体や内装、おもてなしにこだわった個性溢れる列車が旅を盛り上げます。
福岡から由布院へ向かういくつかの列車のうち、2024年に新たに加わったのが「かんぱち・いちろく」。博多駅〜由布院駅〜別府駅間を1日片道1便、博多駅からは「かんぱち号」、別府駅からは「いちろく号」と列車名を変えて運行しています。
久大本線開通に尽力した2人の名前を冠した「かんぱち・いちろく」。黒の車体がスタイリッシュな3両編成の観光列車は、博多駅~由布院駅を3時間半で走行。途中の田主丸駅と恵良駅では名産品販売のおもてなしもある。
「ゆふ高原線の風土をあじわう」をテーマに、福岡県、大分県を象徴する特産品や工芸、アート、食を取り入れているのが特徴で、座席まわりに使われた杉材、地元作家のアート作品などが乗客を温かく迎えます。
大きく取られた車窓からは慈恩(じおん)の滝、テーブルマウンテンで有名な伐株山(きりかぶざん)などが望め、山々や渓谷、田園風景がつねに目を和ませてくれます。
車内は伝統工芸の竹細工をモチーフにしたのれんや、福岡・大分両県にゆかりのある作家10組のアート作品で彩られている。二次元コードで作品の詳しい情報も知ることができる。
そして列車の旅ならではの食事もお楽しみ。福岡と大分の人気店が腕を振るう2段のお重は、地元食材をふんだんに使い、ボリューム満点。
山々の緑と青を基調にした落ち着きのあるプライベートな畳個室。福岡、大分の名店が特別に仕立てたお弁当は曜日ごとにメニューが変わる。
BOX席もゆったり。窓からの景色と随所に飾られたアートが目を楽しませる。
また、同じ沿線を走るもう一つのD&S列車が「ゆふいんの森」。博多駅~由布院駅間を約2時間で走行、毎日運行し本数も多いので、由布院で美術館や観光スポットを巡り、夕方から福岡へ向かうことも可能です。
福岡~由布院のアクセスにはD&S列車「ゆふいんの森」もおすすめ。Ⅰ世・Ⅲ世の2タイプの車両が毎日運行(車両点検期間を除く)。ハイデッカー構造で高い目線から景色を眺めることができる。
木の温もりを感じるレトロな内装。ビュッフェとⅠ世はサロンスペースも。
豊後鶏の唐揚げなどが入った「ゆふいんわっぱ」¥1,000は要事前予約。
JR九州のD&S列車
特急 かんぱち・いちろく
かんぱち号:博多駅〜別府駅 月曜・水曜・土曜運行
いちろく号:別府駅〜博多駅 火曜・金曜・日曜運行
ソファ・BOX席1名1万9,500円〜、畳個室1名2万4,500円〜。
https://www.jrkyushu-kanpachiichiroku.jp/
特急 ゆふいんの森
博多駅〜由布院駅、博多駅〜別府駅(上り・下り)
上り・下りともに1日3便運行(運休の場合は特急ゆふが運行)
博多駅〜由布院駅1名6,130円(乗車日によって異なる)。
https://www.jrkyushu.co.jp/trains/yufuinnomori/
沿線の景色や文化、食を心ゆくまで味わえる特別な体験。観光列車の旅はたくさんの素敵な思い出も一緒に運んでくれるはずです。
由布院でアートと自然に触れる。
由布岳をバックに佇む巨大な犬のアートは必見。『COMICO ART MUSEUM YUFUIN』にある奈良美智の作品。「Your Dog」©Yoshitomo Nara 2017
隈研吾が建築を手がけた現代美術館。由布院駅から徒歩15分とアクセスも便利。Photo by Masaki Hamada(kkpo)
COMICO ART MUSEUM YUFUIN
住:由布市湯布院町川上2995-1
営:9:30〜17:00(最終入場16:00)
休:隔週水曜
※オンラインでの事前予約制 一般1,700円ほか
湖底から温泉と清水が湧き出ている金鱗湖(きんりんこ)。湖の周囲には散策路があり、魚や水鳥が泳ぐ姿も見られる。
JR由布院駅のホームには温泉町らしい足湯コーナーが。大人200円で利用可能。
写真/上澤友香、取材・文/矢沢美香
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