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楽しすぎてふたたび! ローカルな味をめぐるどっぷり高知旅・冬の巻/前編【クウネルふた旅】
“南国土佐”とも呼ばれ、真冬でも温暖で散策しやすい高知県は、実は冬旅の穴場。昔ながらの食生活に触れるローカルフード探しや、地元民もおすすめのちょっぴりディープなスポットめぐりなど、高知の魅力をもっと深く、じっくりと味わうなら、落ち着いた冬の時期こそ狙い目!
前編となる今回は、高知市民の台所を支える街路市で見つけた食材や、山間の町で味わう県民の味「田舎寿司」などをご紹介。昨年訪ねて以来すっかり魅了されてしまった編集部がふたたび高知を訪ね、どっぷりと旅してきました。
目 次
1 / 街路市で見つけたローカルな食と風景
全国的にも有名な野菜や果物の産地で、365日いつ訪れても旬の味わいを楽しめる高知県。地元のリアルな食生活を垣間見るなら、高知市のあちこちで開催される街路市めぐりは外せません。開催は月曜と水曜をのぞく週5回! いずれも場所や規模が異なり、曜日ごとに様々な特色が感じられるのが魅力です。
まず一度は体験したいのが、高知城へ続く追手筋(大通り)で約1kmにわたって開催される「日曜市」。300年以上の歴史を受け継ぐ日本最大級の青空市で、県内の農家による農産物販売や植木店、金物店、テイクアウトできる名物・いも天やアイスクリンのお店など、バラエティ豊かな約350店が出店します。
観光スポットでもあるので朝から混雑しますが、各店の気さくな店主と会話していると、人混みのストレスすら忘れて買い物に没頭してしまいます。冬の始まりなら、びっくりするほど大きなしょうが、葉ぶりのいい大根、とれたての香り高い柚子。年が明けたら、ぷりっとした食感がたまらない露地ものの「土佐文旦」も狙いめです。
ローカルな風情にどっぷり浸かるなら、上町4丁目の水路の上で約10店ほどが出店する「火曜市」へ。規模は小さくとも、農産物や手作りのお惣菜やおはぎなどの菓子、花屋などの市が並びます。「大根をとっておいて」なんて、常連さんと店主の慣れた掛け合いも。自宅のそばにもこんな心温まる市があったなら…そんな思いを抱かずにはいられません。
2 / 高知の食卓の定番「酢みかん」と「ゆのす」を知る
高知は旬の食材や料理との組み合わせを楽しむ、調味料や薬味としての柑橘が豊富。地元では、これらをまとめて「酢みかん」と呼んでいます。
その代表選手といえば、高知の名産でもあり、鍋物や魚料理まで幅広く使えるゆず。「酢みかん」はゆずのほかにも30種類以上あるといわれ、特に旬の魚とのマリアージュは高知ならではの楽しみかた。たとえば戻りガツオならすっきりとした「直七」、冬が旬の清水さばには「だいだい」、淡白なウツボには「ゆず」といったふうに、県民のみぞ知るお約束の組み合わせがあるのだとか。
そしてもうひとつ、高知特有の手作り調味料として親しまれているのが、ゆずの絞り汁100%で作る「ゆのす」です。「ゆのす」は米酢と合わせてすし酢にしたり、サラダやお刺身、和え物などに加えるだけで…あら不思議。柚子の香りとまろやかで優しい酸味が、いつもの料理に上品な爽やかさを添えてくれます。
「ゆのす」は各家庭でゆずを絞って作るだけでなく、街路市や道の駅などでも手絞りのものを購入可能。飲食店のテーブルに備え付けてあることもよくあります。「ぶしゅかん」など希少な酢みかんを使用した「ゆのす」もあるので、ぜひ探してみてはいかがでしょう。
3 / 山のお母さんが伝える味。「田舎寿司」づくりを体験!
高知を旅していると、道の駅の惣菜売り場や街路市などでよく見かける「田舎寿司」。もとは交通機関がなかった時代に山間部で生まれた、山の幸を使用した色鮮やかなお寿司です。現在は高知のローカルフードとして認知され、県内のほぼ全域で親しまれているようです。
前出の「ゆのす」の香りが効いた優しい酸味は、一度味わうとやみつきになる人も。そこで今回は田舎寿司の作りかたをマスターすべく、高岡郡津野町にある『農村体験実習館 葉山の郷』にお邪魔しました。
葉山の郷では、田舎寿司のルーツともいわれている津野町・久保川地区のお母さんたちに学ぶ「田舎ずしづくり体験」ができます。出迎えてくださった3人のお母さんの中でも、最年長の笹岡三栄さんはなんと86歳! 手際よくお手本を見せてくださいました。
田舎ずしづくり体験
住:高知県高岡郡津野町永野251-1(農村体験実習館 葉山の郷 内)
TEL:090-1323-5940(久保川生活改善グループ)
実施時間:9:00〜16:00(希望日の7日前までに要予約)
料金:5名12,500円
※5名以下でも参加は可能ですが、5名料金と同額になります。
4 / 冬の寒さに、温かい「蒸し寿司」が沁みる
寿し柳 本店
住:高知市南はりまや町1-2-20
営業時間:11:00〜14:30、17:00〜21:00
水曜定休
HP:https://www.sushiryu.co.jp/
5 / 冬でも毎日食べる!? 土佐っ子はアイスクリーム好き
高知を代表するスイーツといえば、かき氷のようなしゃりっとした食感がユニークな「アイスクリン」。前出の日曜市ではなんと、真冬でも当たり前のように屋台でアイスクリンを販売しているそう。
アイスクリンのほかにも『久保田食品』、『松崎冷菓』など、高知には有名なアイスクリームメーカーも多く、各地の道の駅では季節を問わずアイスクリームスタンドに並ぶ人々の列が。もしや土佐っ子は無類のアイスクリーム好き…? 取材クルーも地元民になりきって、滞在中の“1日1アイス”を実践!
6 / 高知の酒なら、全19酒蔵がそろう「安岡酒店」へ
前編の最後を飾るのは、ローカルの食にはやっぱり外せない地酒のチェック!高知のお酒を知るなら、迷わず高知市内の『安岡酒店BLUES』を目指しましょう。
同地で創業してなんと108年(2024年現在)。店名の通り、ブルース好きな店主が女将と二人三脚で営むこちらの店では、高知にある全19の酒蔵のお酒をすべて取り扱っています。
安岡酒店BLUES
住:高知県高知市九反田8-6
営業時間:9:00〜20:00
日曜定休
HP:https://www.yasuoka-sake.com/
どっぷり高知旅キャンペーン推進委員会
写真 和田裕也/取材・文 小堀真子/編集 神保亜紀子