パン好きの間では知られる存在の渡邉政子さん。パンブームの黎明期に、パンにまつわる細かな情報を発信していたパン通です。そんな渡邉さんがパンを食べるときに気を付けていることは? また、日々使っている道具を見せていただきました。
「愛パン家」としておいしいパンやパンへの愛を発信してきた渡邉政子さん。 家にお米のストックはなく、365日パンを食べ続けているという、筋金入りのパンラバーです。
「食パンは12枚切り(厚さ10㎜)、買いたてを生で食べるのが好きです。そして、食べる前に顔にそっと押し当て、パンの香りとしっとり感を楽しむんです。私はこれを〝パンマスク〟といっています」
包丁は研いでよく切れるようにした文化包丁を愛用。波刃のものより、切り口がきれいというのが理由です。
旅の多い渡邉さんですが、旅先にも必ずパン切り用のナイフと、パンを入れる紙袋を持参。ビニール袋だと湿気などでパンの食感が変わってしまうからだそう。すぐに食べないパンは一回に食べる量ごとにラップでくるみ、ジッパー付きの保存袋に入れストローで空気を吸い取ってから冷凍保存。パンを最良の状態で味わいたいという並々ならぬ情熱を感じます。
渡邉政子/わたなべまさこ
元「パンの会」主宰。現在はパンに関する原稿執筆やベーカリーのアドバイザー、講演などで幅広く活躍。
『ku:nel』2019年11月号掲載
写真 柳原久子/文 鈴木麻子